2021年01月

 
 
手描き友禅の染め作業に使う材料は、高田馬場界隈の材料屋さんか、京都の染料屋さんから取り寄せております。
今日のブログを「京都からの便り」という風流なタイトルにしたのは、京都の染料屋さんから届いたばかりの宅急便の箱に、緩衝材として「京都新聞」が詰め込まれていたからです。
地域版がクシャクシャで出てきたりすると、明らかに関東圏の新聞とは話題が違います。まるで京都からのお便りのように思われて、いつもシワを伸ばしてイソイソと読みます。
今回は昨年の12月19日付け。



主なところでは、「イチョウに大根干し1200本」と
「悲運の画家たち展」の案内記事。

「イチョウ」の方は、八幡市の円福寺で恒例の大根干しが始まったというもの。
シワシワですが、写真をアップにしました(^^;)


専用の干場や、軒下に干すのはよく見かけますが、大根を大木に直接吊るす風景は初めて見ました。なるほど、干場を作る手間が無く、落葉しているから風通しも日当たりもよいという訳ですね。

その隣の記事は宮津市岩の鼻の海岸に3mもあるダイオウウイカが漂着した話題。深海に棲むという巨大イカ。
その後ろの記事が「悲運の画家たち展」


素晴らしい作品を遺しているわりには知名度が今一つ高いとは言えない画家を紹介するもので嵐山の福田美術館の展覧会だそうです。
長沢芦雪(ながさわろせつ)や木島櫻谷(このしまおうこく)など。
日本美術ファンにとってこの二人は重要人物ですが、葛飾北斎や尾形光琳のような「誰でも知っている名前」ではありません。
二人の名前は初耳という方へ。紹介記事はコチラです。
手持ちの切り抜きから。朝日新聞「美の履歴書」より。代表作が紹介されています。





京都新聞に戻りまして、記事は他に、
比叡山の夜景を楽しむバスツアーの紹介。
長浜市、米原市、彦根市が市内に設置している「石田三成に因んだ柄のマンホール蓋」と同じデザインのコースターを作って配布するお話。
などなど… 歴史の資産がたっぷりある京都地方ならではですね。
うらやましく思いつつ、伸ばして読んだ新聞は折りたたんで資源回収袋へ。

そうそう!
友禅工程のうち、蒸し、水洗い(友禅流しにあたる工程)をお願いしている丸京染色さんからカレンダーを頂いたので入口に吊るして使っております。



これも京都の便り。行事のところを拡大しますと、


きちんと比べてはいませんが、初薬師から始まって初天神までの行事、特に24日の初地蔵は東京には無いことで、私には必要ない情報ですが、楽しい情報です。

ぼかし屋はなぜか京都にご縁があり、このホームページの制作依頼からこちら、サーバーの利用などで、ずっとお世話になっている(株)リュームさんも偶然ながら京都の会社。時々担当さんと電話で話すと京都のイントネーションを楽しめます。


季節の便り | 10:48 PM | comments (x) | trackback (x)
東京手描き友禅の染め工程の中で、一番映える花形工程が模様の色挿しです。
今回は先方のご希望で上半身は赤い大輪のバラだけ。裾模様が緑や紫を主体にしたカンパニュラの模様だったのとは対照的で、振袖でなければ実現できない柄行きです。



紅色系、朱色系、その中間と3通りの赤にそれぞれ濃淡を3段階と極薄いピンクも準備。濃淡ぼかしするためです。


色挿し方法に決まりはなく制作する人それぞれに流儀もあります。
ぼかし屋ではこのような大輪の花の場合は、花びら一枚ずつぼかしていきます。



身頃の部分を作業机に並べ、左右を確認します。色がつながっているか、全体としてバランスがよい濃淡になっているか。3種類の赤の色合いの配置もバランスよく!
交通安全ではありませんが、「指さし確認」しています。



この写真では、生地の端(伸子で張られた部分の上下)が巻き込んであるのがご覧になれます。
着物の身頃の生地は足首から肩を越え、また足首を覆う位置まで一つながりで、おはしょり部分も含め3m以上。長~いのです。円滑に作業を進めるために、「今は染めない部分」は巻き取って留めておくのです。
こんなふうに。


巻いて洗濯挟みで留めます。糸目糊がよく見えています。


 裏からみるとこんな感じ。色挿しが済んでいる部分は裏から見ても同じ色が染み出ています。手作業で色挿しした証拠です。


巻き込み部分を晒や手拭いでカバーしてあります。これは作業中に染料が飛ぶなど汚れがつくのを防ぐためです。


生地がコンパクトになって伸子を持ちやすく、この状態で色挿し作業するのが理想です。ただ色が乾いていない、色を見ながら作業する必要があるなど、長い生地を引きずるように作業する場合もあります。


ほら、上の方が伸子に張られていますが、下の方は伸ばしたまま。この写真の場合は色合いの確認が必要で伸ばしたままとなっています。
そうそう、赤い色がついた部分にビニールが貼られているのにお気付きでしょうか。染料は乾いただけで蒸していない時は生地に定着していません。擦れて他の部分に染料が移るのを防ぐためです。
色を塗るだけでなく、アレしたり、コレしたり。
色々忙しく色挿します(^^;)


ぼかし屋の染め風景 | 06:46 PM | comments (x) | trackback (x)
   謹賀新年



昨年中は多くの皆さまにお世話になりました。
ご用命いただいたお客様、
東京都工芸染色協同組合の諸先輩方、刺繍屋さん、材料屋さん、湯のし屋さん、京都の丸京染色さん、しみ抜き屋さん、仕立て屋さん、生地屋さん
オリンピック出場国の振袖製作の着物プロジェクト、イマジンワンワールドの皆さん
色々ありがとうございました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。



さて新年のお楽しみウイーンフィルのニューイヤーコンサートが元日夜、NHK Eテレで放送されました。毎回楽しみな楽友協会ホールを彩る花の装飾、今年は朱赤がメインカラーで、感染防止のため無観客のホールを淋しく感じさせない艶やかな色合いでした。


特に正面はバラ、薔薇、ばら!!!

勝手な評価ですが、今年の一番は「皇帝円舞曲」だったのでは?
小学校時代、なぜか給食の時間になると校内放送されていた懐かしい曲です(*^^)
このようにきちんと聴いたのは初めて。
テレビ視聴の良さは、それぞれのパートでメインを演奏している楽器や奏者を写してくれること。素人にも分かりやすく、大曲をより一層楽しめました。

コンサートホールを彩るバラを見つつ思いました。
12月に多忙で取り紛れてしまったモナコ公国振袖バラの色挿し、次回の当ブログでご紹介しなくては!


お知らせ | 05:52 PM | comments (x) | trackback (x)
 

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