源氏物語の十二単再現展

 
ぼかし屋は都内、地下鉄東西線の沿線。同じく東西線の竹橋駅から徒歩1分の丸紅ギャラリーにひとっ走り行ってまいりました。
「よみがえった女房装束の美 源氏物語」を見に。




源氏物語に描かれた十二単を実践女子大のチームが五年がかりで復元したものの展示です。

十二単は着装姿の呼び名ですが、復元は裳、唐衣、襲ね衣などパーツごとに精密に再現したそうです。


NHKのアートシーンでも紹介されていました。
(画像はアートシーンから)
現存する衣装には平安時代の物がないため、「誰も見たことのない衣装」を源氏物語の明石の君を描いた部分から調査、再現したとのこと。大仕事です。


拝見してまず思ったのは「柔らかそう」
例えば皇族の婚礼衣装やお雛様から受ける印象は、ゴワゴワした硬い衣装を複雑に着重ねたというもの。ところが復元衣装はどれもフワッと柔らかそうな生地で、縫製も柔らかそうでした。一番硬いであろう上着でさえ柔らかそうな織りでした。
これなら何枚も重ねて着て生活しても大丈夫です。



会場の説明の中に、「平安時代の衣装と、江戸から現代までの衣装はかなり違う」「特に明治時代になると、西洋式に立ち姿が整って見えることが優先され、衣装を硬く張らせるようになった」とありました。なるほど。柔らかい衣装は立つと身体に沿ってタラリと流れてしまい見栄えがしないと考えられたのでしょう。
江戸時代以前の宮中では生活も儀式もすべて座って行われ、まして平安時代、源氏物語には「姫君方は立ち歩くことさえまれ」とありますよね。
(現代語訳しか読んでいません、悪しからず)

源氏物語の描写には紐や帯が登場せず、衣服は襲ねて(重ねて)羽織っていただけだそうです。正装する場合には裳を腰に付け、裳の紐部分が腰を締めただけのようです。
源氏物語の中には「窶れて薄い肩」などという表現がありますが、これまでは何となく明治以降の十二単や袿を念頭に着ている人の体型など分からないだろうと思っていましたが、この復元衣なら肩が薄いことはよく分かることでしょう。

上着にあたる袿(うちき)の再現
二陪織物(ふたえおりもの)と呼ぶとても高度な織物だそうです。地紋を織り出した生地にさらに別の色糸で有職文様を浮き織りにすると説明がありました。実は今一つ技については理解できませんが、見るからにスゴイ技術で、しかも柔らかそう。触ってみたいですね!

(表を裏が両方見えるように展示されていました)

復元品の展示だけなので時間はかかりません。チョット見でもOKです。
平安時代の衣装が見られるのは今月末、12月28日までです。

さて来年の大河ドラマは紫式部。十二単のオンパレードになりそう。
いったいどのような衣装、お化粧、室内照明が描かれるでしょうか。
以前の大河で平安末期の平清盛が主人公となった時、映像がかなり史実に迫っていて、身分ごとの衣装や油を燃やすだけの室内照明を表現していて楽しめました。
ただし視聴率は芳しくなかったと記憶しております。.残念ながら.「衣装が汚い、暗い」という理由で。
確かに映像は全体に暗く、若い清盛やその家族の衣装が擦り減っていたり、庶民に至っては襤褸をまとって登場してました。でもそれが本当だったろうと思います。
絹どころか麻の生地でも貴重で、いつも新しい状態で着ていられたのは、ごく一部の階層だけだったからです。照明もそう。性能のよい蝋燭や行燈はもっと後の発明だそうですよ。薄暗い中に再現衣装のような衣をふんわりまとった女性がいたら、神秘的だったでしょうね!

女性衣装の話から逸れますが、ドラマに登場するであろう調度品、古い型(幅が狭い)の屏風、御所車や輿、男性の普段着、特に天皇の衣服が楽しみです。
室町時代や江戸時代を舞台にしたドラマで登場する貴族男性はみな制服のように黒い衣冠束帯ばかりですからツマラナイ。
男性の普段着である直衣(のうし)も実は今の今のものより柔らかく着やすい衣装だったのかもしれないですね。
それにしても来年の大河ドラマの衣装関係の制作費は膨大なのでは?
コンピューターグラフィックスで着ているように見せる、のはやめていただきたいですね~~(^_^;)

展覧会ルポ | 10:13 PM | comments (x) | trackback (x)

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