2024年09月

 
 
無線友禅のお試し
今回はあまり経験のない染め方を試し染めしてみました。
伝統工芸品としての友禅染には二種類あります。
手描き友禅と型友禅です。そのうち手描き友禅はこのブログでお馴染み、ぼかし屋が行っている技法。糸目友禅ともいい、模様を糊で線描きして防染した生地に染料を筆や刷毛を使って染め、模様を描き出します。
こんな感じです↓


↑糸目糊で防染した跡が白い糸のように線で残るので「糸目友禅」

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、手描き友禅に含まれる技法の中に「無線友禅」があります。糸目糊による糊防染をせずに、生地にまったくフリーハンドで絵を描くように筆で模様を描くのです。
ぼかし屋では無線友禅はごく例外的に模様の一部に、例えば葉っぱなど、添える事があるものの、ほとんど未経験でした。
次回作では糸目友禅の重要脇役として併用し、初めて花も描く事になったので実験しているところなのです。

(写真が歪み、渦も出ています。生地の縮緬はデジカメと相性が悪く渦がでやすいのでご容赦下さい。縮緬表面の細かい粒粒したシボがデジタルの読み取りを邪魔するらしいです)

まず試作生地に下絵を描きました。
ふんわり感を出すために生地は濡れた状態で描きますので、水分で消えないタイプの下描き染料(新花と呼びます)を使いました。

さてさて、どうかな~


ピンクのバラを無線友禅で描きましたが、糸目友禅と違うボンヤリ感は出たと思います。
下絵の新花は筆描きの間、水分では消えず、染めた後の加熱で消えることも確かめました。
無線友禅はボンヤリ、フンワリだけでなく境目をクッキリさせて多色を重ねることも出来ます。ついでに余白でやってみました。


クッキリした桜が重なりあってます。無線友禅ですと、この重なり部分を糸目が邪魔しないので色の重なりが自然に見えます。

まず次回の図案ではこのフンワリの方で行きたいと思います。
予定はバラではないのですが、試作でバラが出来れば他の花は何でもOKなはずなのです。
バラは一番難しいですから。

ぼかし屋の染め風景 | 12:40 AM | comments (x) | trackback (x)
 

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