東京友禅は、ぼかし屋友禅へ

 
東京手描き友禅の作業、伸子針(しんしばり)の色抜き

 今日は溜め込んでしまった伸子針の色抜き作業をしました。

 模様の色挿しや、地色を引き染めする時に、生地をピンと張るのに使う道具が伸子針



 細い竹の両端に針がついていて生地の耳部分に刺すので、引き染めをすると染料が竹の先端について汚れてしまいます。

 そのまま次の染めに使うと竹から生地へ染料が移ってしまうので、伸子針を脱色するのが「色抜き」です。



容器にハイドロコンクという抜き剤をいれて煮沸します。抜けたら針の上下を入れ替えて全体をきれいにします。





引き染めをすると、竹製の伸子針が弓なりに曲がるのですが、煮沸のおかげで真っすぐに戻ります。
長年何度でも染めと抜きを繰り返して使い続けています。



仕上げに抜き剤の成分を洗い落とします。
タップリの水にさらに流水も流して完全に。抜き剤が残ってしまって、次回の染めで生地に抜き剤が移ったら大変です!



水を切り、なるべく通気よいように、三日ほど乾かしてから収納します。
針がもれなく付いているので、ついついひっかき傷を作りながらの作業です。

東京手描友禅の道具・作業 | 09:57 PM | comments (x) | trackback (x)
手描き友禅による雨中紫陽花の表現

 季節の移ろいは速いもので、あちこちで見事な紫陽花を見かけるようになりました。
紫陽花はたいへん好きなモチーフで、染めるたび色々試しております。




こちらはそぼ降る雨の中の紫陽花の模様。

背景が明るいとそぐわないし、あまり暗いと嵐のようになってしまうし……
ほどほどの曇天になるよう色合いを考えて彩色しました。
染料による雨粒に加え、銀彩で仕上げに雨を増やしています。

近所で撮影した紫陽花。色の移ろいが見事です。




 お天道様が、藤色からブルーまでの染料を作り、三輪とも違う配分で彩色したかのようです。真似したいものです。

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 先日東京地方の梅雨入り宣言がありました。
絹地の保管には厳しい時期となりました。

ぼかし屋の作品紹介 | 08:36 PM | comments (x) | trackback (x)
拙宅、ぼかし屋所在地は古い団地の一角。

古いことの数少ないメリットは敷地に緑が多いこと。
ここ数日続いた五月晴れで満開となった薔薇を撮影しました。



ほんの狭い一角なのですが、ご近所有志の方々の丹精のおかげで見事に咲いています。
私は観るだけ…
日差しはもう真夏のような強さです。

光をたくさん入れて撮影してみました。



燦々とした光と薔薇の向こうに白亜のお屋敷が、、、、
いえ、単なる団地ですが。(^-^;

木々に囲まれ住み心地のよい団地です。

季節の便り | 10:13 PM | comments (x) | trackback (x)
東京国立博物館の所蔵品展示で 古い友禅染の作例をいくつか観ることができました。

 特に驚いたのがこちら。






  産着  納戸綸子地 宝尽くし模様

 伊達家の殿様、伊達吉村の所用だそうです。かの伊達政宗の曾孫で1680年生まれ。若様の産着がお古とは思えませんから、もしかすると制作時期がはっきりしている一番古い友禅染ではないでしょうか。
 身分の高い武士階級やお公家さんの着衣の模様は、江戸小紋等を別にして、主に織りか刺繍だったのですが、子供用には、洗えて肌触りの柔らかい友禅染めも使われたのですね。


 紐の先まで宝尽くしが散っています。贅沢な地紋に五つ紋付きでした。
江戸時代前期としてはかなり細かい友禅染だと思います。
 
この展示は着物のコーナーではなく、武士の鎧や小袖、武具を飾るコーナーにあり、隣は幼児用の可愛い陣羽織でした。

江戸時代、町人階級は贅沢な織りや刺繍を制限されていたので、友禅染はおもに町方の富裕層のファッションニーズに応える形で発達しました。



振袖 薄紅平絹地 薊菊模様
この振袖は1700年代の江戸中期のもの。

解説に「浅葱色に染めた州浜形の内に、簡略化された薊と菊を糊置きし、墨色や藍色で地味に彩色した、いわゆる光琳模様」とあります。
ここで言う「糊置き」とは、細く絞り出した糊(糸目糊)で下絵をなぞり描きした、という意味です。糸目糊で防染してから染料で彩色すると糊のあとが白く糸目のように残るのが友禅染。この作品は糸目がくっきりを白く浮き上がって見えていていますね。


どんな商家のお嬢さんが着たのでしょう。



 間着(あいぎ) 紅綸子地 牡丹青海波網模様

 こちらも1700年代のもの。間着は打掛の下に着る小袖だそうです。
模様はすべて鹿の子絞り。 たいへん贅沢ですが、上にさらに打掛を羽織ったのですね。

 江戸時代の友禅の話題ついでに、最後にNHKテレビの映像から。
前回の朝の連続ドラマは、最初のころの舞台は幕末期で、
京大阪の大商人の娘さんが主人公でした。
どんなにお金持ちでも町方ですから、織や刺繍は制限されており、着物は主に染めの模様なのです。
ドラマ撮影用とはいえ、毎回素晴らしい友禅染衣装が見られました。



 主人公の袂に偶然鉄砲が飛び込むというシーン。

着物はもちろんですが、裏側の比翼も細かい友禅。帯も染めの模様です。
衣装を楽しめる番組でした。

東京手描き友禅 模様のお話 | 11:17 PM | comments (x) | trackback (x)
 手描き友禅の柄行き、模様を作図する時には色々な参考資料も使います。他の工芸品の文様や柄行き、季節の花々、琳派や狩野派の障屏画の写真などが主なところです。ですから作業部屋の本棚には本がいっぱい。
 先日そこに新たな戦力が加わりました。
 「日本の意匠 全16巻」 です。
 5年前に他界なさった師匠、伝統工芸士の早坂優先生の奥様が、長く工房で使われていた一揃いを下さったのです。
何度も何度もお借りして図案作りの参考にした本なので、大変有難いことです。

 貴重な本ですから、ずらりと並べて記念写真。




 手前右の表紙の図柄をご覧ください。
今年の染芸展の友禅体験にお越し下さった方は、あらっとお思いになるのでは?
(御所)車に流水の図です。友禅体験で使われた車の模様のモトとなる意匠です。



片輪車蒔絵螺鈿手箱 

国宝で平安時代の塗り物です。
牛車の車輪は乾燥すると割れてしまうので、川に車輪を浸しておく風景は平安時代の都の風物だったはず、とのこと。

 この全集は1985年、京都書院の発行。これだけの全集を組むことが出来たのは世の中が好景気で、伝統工芸産業全体がまだまだ元気だった時代だからでしょう。
今改めて見ても内容は充実しています。
 たとえば、桜の巻のページには



 刀の鍔の細かい細工や、陶磁器の模様まで写真が載っています。



陶磁器の模様もたくさん掲載されています。

 まさしく着物の模様の参考書!!

 動物の巻には面白い打掛が!


お猿さんの柄です。


 打掛ですから身分の高い人が着たはず。
でもこんな愉快な柄行きを楽しんだのですね。驚きます。

 紅葉の巻には仁阿弥道八の「桜楓文鉢」も載っています。
                  (右ページは桜の花筏文様の水指し)



 この作品の特徴である内側ビッシリの文様がよく写っています。


普通の美術書ではこんな角度から写したりせず、もっと写真の構図として格好良く、器の横から写すはず。おそらくこの本が伝統工芸に携わる人向けの編集であることから、
上から覗き込むような目線で写してくれたのでしょう。
「ほら、こんな図案ですよ」と。

同じく紅葉の巻には何度も見た懐かしい図が。


檜垣に楓散らし文様の能衣装 (江戸時代、岡山美術館所蔵)


この紅葉の色合いが自由で楽しく、
実際にはない色取りなのに模様になると不思議にリアル…
この図には結構影響を受けていると自覚しています。



ぼかし屋の訪問着の作例から。
織や刺繍の能衣装と違い、友禅の方は柔らかい印象です。
でも、要点は同じ(つもり)です。

貴重な全集!師匠ご夫妻に感謝<m(__)m>
大切に、しっかり利用していきたいと思います。


東京手描き友禅 模様のお話 | 12:22 PM | comments (x) | trackback (x)
 着物からのれんや風呂敷、本の装丁まで実用品を型絵染めで模様付けした
現代の染色家、芹沢銈介の展覧会に行ってきました。

 「芹沢銈介のいろは」
※ 東京国立近代美術館工芸館にて。5/8まで。

(写真は展覧会チラシと3/23朝日新聞記事より)

 昨年、金子量重氏から寄贈された作品を中心にした展示だそうです。前回ご紹介した横河民輔氏と同様、お陰で貴重な美術に接することができ、お志に感謝!です。


  文字文地 白麻 部屋着

 この展示で面白かったのは芹沢銈介の「文字文」もじもん。
よく「唐草文様」「樹下獅子文」などと言うのと同じで、
「文字を文様化、模様化した」ものです。

 
 1968年のカレンダー

いずれも70代の作品で、驚くほどポップで大胆!形も色合いも楽しく、こういうデザインが身の回りにあるとステキな生活感が味わえますね。

 作品はほとんど型染の実用品でもあるので、今でも買えるし使っているし、です。
ぼかし屋の場合、仕事柄で風呂敷を多用します。
所持品から芹沢銈介デザインを写してみました。


 たとう紙ごと着物を包める大型サイズの風呂敷。便利にしています。仮絵羽や下絵描きなどの作業を中断する時に、この風呂敷で作業机ごと覆って埃防ぎにも使っています。


  上は反物を包んだ綱の模様の風呂敷。とても古く色が退色しています。
  下は小物包み。野菜を模様化した図柄です。

 風呂敷と言えば…

 白生地反物は丈夫な紙で包まれていますが、持ち歩く時は、さらに風呂敷で包みますと、巻物の状態の生地をしっかり守ってくれます。そして湿気から守るため風呂敷ごとビニールで守って運びます。
 昔このように包んだ反物を生地屋さんに返しに行くとき、(数本お借りして、誂えご注文のお客様に生地をお選びいただき、残りを返却)カバンに縦に入れて運び、叱られたことがありました。
 わずかでも生地がよれるような事をしてはいけない、売り物にならなくなる、と。しっかり包み、なおかつ横に運ばなければならないのでした。
そのくらい丁寧に扱えとの教え。もちろんすぐに反物包みを横にしたまま運べる鞄を買ったのでした。
 以後、生地を運ぶたび、思い出しております。

 この工芸館は竹橋と半蔵門の間くらいにあります。

 昔の近衛師団司令部だったところで、建築遺産として貴重な建物だそうです。

 千鳥ヶ淵にも近いですよ。

4/4スマホで撮影 暗くなりきらない都心の夜空を背景に。

 二年ぶりの夜桜見物でしたが、以前と照明方法が変わっていました。
以前は花見客のいるお堀手前が明るく、今年はお堀向こう側が明るく照らされていました。
近くの桜は薄明り、遠くの桜がはっきり明るく。
 どちらがよいか意見が分かれるでしょう。今年の方が情緒はあると思います。
でも頭上に見上げる桜は…ちょっと暗くて寂しかった気がします。
展覧会ルポ | 12:08 PM | comments (x) | trackback (x)
 久しぶりに上野の展覧会へ行きました。
目的の「ボッティチェリ展」を見た後、国立博物館の常設展示へ立ち寄り、東洋館で展示中の綺麗なお皿を観てきました。


 琺瑯彩 梅樹文皿  雍正帝の時代、1730年頃 中国景徳鎮窯
 小振りですが、白い飾り皿に繊細な紅白梅が描かれていて、「これぞ磁器!」というほどの硬質感の輝く白さでした。梅の表現がとても細かく、極めて細い筆で丹念に絵付けした様子です。

 この展示に立ち寄るきっかけになったのは1/31東京新聞の記事です。



この記事のほとんどの部分は、皿の寄贈者、横川民輔氏のことが書かれています。
興味深いので、主旨抜粋で記事を紹介します。

 作品の解説プレートのほとんどに「横河民輔氏寄贈」とある。
横河氏は大正期に日本橋三越本店を設計するなどした建築家で、現在の横河グループを創設した実業家でもあり、さらに中国陶磁器の世界的コレクターの顔も持っていた。
 1932年から7回にわたり、東京国立博物館に約1100点を寄贈した。同館が所蔵する中国陶磁器約2500点のほぼ半数に上る。
 横河氏の買い付けは、清朝の衰退期に美術品が中国からへ流出し、英国はじめ欧米列強が「爆買い」する時期だった。しかも最初から公のため、つまり博物館での展示を考えての収集だった。日本で個人がこれほど寄贈するケースはまれだという。しかも、本人は目立つことを好まなかった。


 横河電機の社名は知っていても、このような創業者がいらしたとは知りませんでした。
同じ上野の西洋美術館が「松方コレクション」の名前を残して展示しているように、国立博物館も「横河コレクション」などと銘打って顕彰してもよいのでは、と思ったことでした。それぞれの作品名の小さなプレートには寄贈者名が書いてはあるのですが。

 本館の展示も季節柄で、桜の文様が多く飾られていました。

  仁阿弥道八 「色絵 桜樹図 透かし鉢」




 この作は、どの角度から見ても鉢の外側の枝と内側からのぞく枝がつながって見えることで有名です。雰囲気も材質も柔らかい日本の陶器です。


  打掛 「紅綸子地 御簾薬玉模様」(18世紀)

 端午の節句に厄除けのために御簾に飾る花薬玉を描いているそうです。
端午の節句ですが、背景は一面の桜。
女性の身を飾る打掛だからでしょうか。


お洒落な意匠ですね!図案の参考にしようかな!(^^)!

 同じ日、上野公園入口の河津桜。すでにほぼ満開でした。

展覧会ルポ | 11:47 PM | comments (x) | trackback (x)
 昨日無事に今年の染芸展が終了しました。
 浅草の会場に移って初めての開催。場所柄がよかったのか、
三日間のご来場者は約1700人!(‘◇’) 
昨年のほぼ倍増で、諸先輩方もビックリでした。
 当然、友禅染の体験コーナーは大盛況
開催中は本当に多くのお客様とお話ができ、忙しくとも楽しい時間を過ごすことができました。
皆様どうもありがとうございました。





 会場で出品作を撮影しました。
 模様化した菊の花々から生まれた鳳凰が遊ぶイメージで作図しました。
身頃のブルーと同系統色の濃淡で裾濃(すそご)に染めました。
ぼかし線をずらして引き染めを二度繰り返すことで、
たいへん※足の長いぼかし染めとなりました。

 ぼかし染めは、色がグラデーションで薄くなっていき、淡色または、ついに白になる染め。淡くなり始めた所から一番淡く、または白色になるまでの長さを「ぼかしの足」と呼びます。
ぼかしの足が長いほど、なだらかに淡くなっていくぼかし染となります。
短いと、一気に色が消える感じのぼかし染となります。
模様が引き立つぼかし方を考えて染めます。

ぼかし屋の作品紹介 | 11:19 PM | comments (x) | trackback (x)
東京都工芸染色協同組合による
「弟54回東京手描友禅 染芸展」が開催されます。

  会期   3月4日~3月6日、10時~16時半、ただし初日は13時から
  会場   都立産業貿易センター台東館5階
  アクセス 地下鉄、東武スカイツリーライン「浅草駅」



 友禅染の体験コーナー
3月5,6日の二日間 10時~14時

私は三日とも会場の主に友禅体験コーナーにおります。
お立ち寄りの節は、受付にてお呼び出しくだされば、展示作の見どころなどご案内いたします。
大先輩方の力作も展示されますので、どなたにも参考になることと思います。

 このところ染め風景を紹介してまいりましたのが、出品予定作です。

湯のしから戻って、真っすぐ綺麗になった表地に
最後の仕上げ作業をしているところ。


銀彩で鳳凰の羽根を飾ったり、菊の花弁にアクセントを付けたりいたしました。

渋く紺系の帯を合わせると落ち着いた大人向けに、
ピンク系の帯なら若いお嬢様向けの訪問着になります。



菊と鳳凰の組み合わせながら、あまり大仰でない柄行きを目指しました。
菊の中で鳳凰が遊んでいるような…。
地色を裾濃に染めて、着用時に映えるよう※振り違えで上半身にも模様付けいたしました。

着物の場合、模様があまり多いと礼装というよりお洒落着になっていきます。
紋付きの色無地や、留袖のように上半身に模様のないものが本来の礼装でした。
しかし、それでは淋しい、模様を楽しみたいというニーズがあって訪問着が発展しました。
 礼装らしい格式を残した上半身の柄付けとして、左の胸と前袖、右の後ろ肩と後ろ袖にだけ模様をいれることを「振り違え」と呼びます。付け下げなどですと、模様が袖だけ、または左胸だけという柄付けもあります。

お知らせ | 01:12 AM | comments (x) | trackback (x)
 前回に続き、創作一点物の友禅染作業風景をご紹介します。今回は「色挿し」。


         色挿しの途中(糸目糊が見えます)

 「色挿し」は、下絵の上に糸目糊を置いた模様部分に色付けする工程です。「模様挿し」ともいいます。「友禅する」という動詞を使うこともあれば、「友禅挿し」と呼ぶこともあり、そこから分かるように長い工程の中でも「色挿し」は一番友禅染らしい作業です。
何色も染料を作って筆や片歯刷毛で挿していくので、なかなか華やぎもあります。



 でもちょっと大変なことも。
 水と染料(粉末)を煮て液状の染料を必要な色数作り、皿にいれて使います。



 染料は時間経過とともにどうしても乾燥していきます。つまり色が濃くなってしまうのです。濃淡を保つために水分を調節しながら作業を続け、なるべく一段落つくまで一気に済むように、色挿しを始めたら、長時間やりっぱなし状態になる事がたびたび。

 NHKにラジオ深夜便という徹夜の番組があります。深夜から未明に作業が続く時のお友達です。作業を中断しても色が変わる心配のない刺繍の職人さんが羨ましかったりします。もちろん刺繍には刺繍の大変さがあるに違いないのですが。



 見頃部分はとても長いので、生地を傷めないように
折りたたんだりせず、ゆったりさせて作業します。


 模様が絵羽※1になっているので、縫い目を境に色を間違えないように確認しながら色挿ししていきます。


 上前の胸と袖のつながり。
これは色挿しが終わったところ。ふんわりした菊にするために、糸目糊のない無線描きも併用して、個性的な菊と鳳凰の表現です。



左上→ 色挿しが済むと模様伸子から生地をはずして柄行き通りに並べ
      模様のつながり具合や色目が合っているかどうかと点検します。
      まだ生地に端切れが縫い付けられています。
下2枚→ いよいよ色付けの作業は終わりと確認出来たら、
      次の工程へ進む準備をします。
      当て布や端切れを解いているところ。染めた直後の生地は
      シワシワでこぼこしているのがよく写っています。
      解いた綿糸が地色と同じ色に染まって綺麗なかたまりになっています。
右上→ 剥ぎ合せミシンで見頃や袖などを縫い合せて、長~い一本の反物に戻しています。

 ちょっと生地の端をご覧ください!
波打ったように変形しています。これは伸子針や模様伸子※2で絹地を張って友禅の作業をした結果です。蒸気や水をくぐり、張り手や伸子に引っ張られて、いかにも嵐をくぐった感じが生地に出ていますね。
 この後、「蒸し」や「水もと」作業、いわゆる「友禅流し」で糊や余分な染料を落とし、乾かしてから「湯のし」という工程を踏むことで、この変形がなくなり、生地が真っすぐ平らになり、機屋さんが織りあげた時と同じ光沢を取り戻すのです。

※1 2014,04,09のブログに説明があります。
※2 2015,08,30のブログに説明があります。
ぼかし屋の染め風景 | 09:52 PM | comments (x) | trackback (x)

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