2017,12,21, Thursday
白生地屋さんから和服の染織用しては最長サイズ、振袖用の六丈物が届きました。本当に太い巻ですね。六丈とは約18mもあります。
この生地の登場で、今手元に全種類の長さの白生地が揃いました。
あまりない事なので、揃い踏みさせて撮影しました。
左から染帯用、訪問着用の三丈物、四丈物、振袖用の五丈物、六丈物。
(10尺で1丈→3メートル強)
着物の場合、裾回し(裏地)を表地と同じ生地で染めるかどうかと、袖の長さや身長で必要な生地の長さを割り出します。五丈物は一般的な振袖サイズで、長い袖と裏地がとれます。六丈物となると袖の振りなどの飾りを染めることが出来ます。
振袖用と訪問着用では幅も違います。
若い方の体格が良く、振袖用は幅一尺五寸あるのが普通になってきました。
訪問着を誂える時、四丈物を使い裏地を表地と同じ生地で染めると豪華とされていますが、三丈物と裏地専用のパレス地などを合わせて染めることも多くあります。
実は着やすさ、歩きやすさではパレス地の裏地の方が優れています。すべりがよいので絹地特有のシャッシャッという感触で裾さばきしながら歩くのは粋なものです。いずれにするかはお好みと、地紋で選んだ生地が何丈物だったかによることが多いようです。
この機会に地紋も写してみました。
左下の六丈振袖用は本文(ほんもん)と呼ばれる地紋。沙綾形と四君子を組み合わせた模様で、模様の大きさには種類がありますが、ほぼ振袖専用の地紋です。
左二番目の五丈振袖用は桜花びら散らし。
四丈物は牡丹ぼかし雲。三丈物は変り模様でレースのような模様を浮かせた織りです。
帯では金通しの生地もよく用います。
金属糸が織り込まれていると最初から生地はベージュの色合いで、染めると金色が発色します。白の帯地の地紋は「石畳」です。
いずれにしても絹の白生地は本当に綺麗で、広げるといつも「すみません、これから色をつけちゃいます」という気持ちになります。<(_ _)>
東京手描友禅の道具・作業 | 03:20 PM | comments (x) | trackback (x)