2025,03,06, Thursday
光琳の小袖屏風高輪台にある荏原畠山美術館へ行ってきました。琳派の良いコレクションと聞いていましたが今回が初めてでした。
目的はこの展覧会

当ブログで紹介必須なのはこちら、屏風に貼り付けて保存されている光琳の小袖です。


白梅模様小袖貼付屏風 尾形光琳
屏風の右が後ろ姿、左に小袖の前(顔、胸の側)が貼ってあり「小袖屏風」と呼ばれる仕立て方です。
間近で眺めると生地自体が地紋を織り出した綸子とわかります。色褪せしていますが、かつては光沢の強い生地に豪快な枝ぶりの梅が描かれていたようですね。
驚くのは前側の図柄。屏風は両手を横に広げたように貼られていて中央が襟首に着るとどうなるかというと、襟先から胸を経て両袖まで梅の枝が大きく左右に広がっているのです。
光琳の時代は着付け方が現代と違い、細目の帯を軽く締め、着物の前合わせ、今は首付け根があまり見えないほど左右をきつく合わせますが当時はゆったりでした。つまり着物の上半身の柄は胸の左右ともよく見えたはず。この小袖を着ると身体の中央から左右に広がる枝がさぞ目立ったことでしょう。
この展覧会では美術館が所蔵する琳派の陶器がさすがの見ごたえでした。

赤楽茶碗「雪峯」本阿弥光悦
図録に角度を変えた写真もありました。

解説によりますと、この印象的な金色の切れ込みは茶碗を焼いて出来てしまった割れを光悦が面白がって金を加えたそうです。本物は実にきれいでした。

図録の裏表紙の写真です。
本阿弥光悦、俵屋宗達のコラボで有名な古今集和歌巻のうち「金銀泥四季草花下絵」の巻を背景に楽茶碗を写しています。贅沢ですね~~
図録の表紙デザインも素敵なので一緒に紹介。


もちろんこの和歌巻も展示されています、もちろん!
さて他に存在感を放っていたのが

結鉾香合(ゆいほここうごう) 尾形乾山
手のひらにすっぽり収まるほど小ぶりな香合です。可愛い姿なのに何故か大物感。
写真では分かりにくいですが、粘土を丸く器状に作った後、ヘラで全体を面取りしてあるのです。梅の枝が濃く太く描かれ、上部の摘みは枝に見えるように彩色されています。
3月16日までの展示でまだ間がありますから、機会ある方は高輪台へお立ち寄りになってはいかがでしょうか。
展覧会ルポ | 01:08 AM | comments (x) | trackback (x)