モナコ公国の手描友禅振袖 制作風景 ①裁ち切りと仮絵羽仕立

 
モナコ公国をテーマとした振袖の追加版の制作風景を工程ごとに少しずつ紹介していきたいと思います。
最初は何といっても生地の準備。


生地問屋さんの揃えてもらった同練りの三丈物二反
同練(どうねり)とは同時に作った糸で織った、という意味です。
生地の模様が同じでも、練りが違うと同じ染料を使っても同じには発色しないからです。


本紋と呼ばれる振袖用の地紋で、沙綾形文に菊や蘭が織り出されています。

まず巻を解き、全体の長さを確認します。


白い絹が山のように重なります。本当に美しく、いつも「これに色を付けてしまっていいのかな」と思ってしまいます。白い雪の上を歩いてはいけないような感じです。


尺差しで計って印を打ちます。
まっすぐ計って、まっすぐ裁ち切らなくてはなりません。
この時、活用するのが「畳の縁」


ヘリと畳面のわずかな段差を利用して生地をまっすぐに固定して計るとずれません。
裁ち間違いしないよう何度も何度も計り直しながら鋏でザックリいくわけです(^^;)


衽と衿の間の長い所も延々とまっすぐ切ります。

裁ち切りが済んだら、仕立て屋さんにお願いして仮絵羽仕立てしていただきます。
振袖の形にしてから、生地に下絵を描くためです。

着物が出来上がった時に、縫い目の越えてつながっている模様を絵羽(えば)模様といいます。
例えば豪華な牡丹の花が縫い目でブツッと途切れていたら残念です。
絵羽模様で広々と牡丹の模様がつながっていると立派ですよね!
絵羽模様にするための下準備の仕立てを仮絵羽仕立てと呼ぶわけです。

仕立て屋さんから仮絵羽仕立てとなって戻って来たところ。


出来上がりサイズに合わせて綺麗に着物の形になりました。
さて!ここに図案を描くわけです。
縫い目を越えて模様がつながるように。

その図案については次回に…


ぼかし屋の染め風景 | 04:43 PM | comments (x) | trackback (x)

ページのトップへ