2022,01,03, Monday
東京手描き友禅 ぼかし屋 新年ご挨拶謹賀新年
ぼかし屋友禅 宮崎 桂子
今年も「きものブログ」で、友禅染めの様子や道具や材料、生地、模様の参考となる日本美術のことなど、ゆるく広く紹介していきたいと思います。
ふと思い立った時には是非ぼかし屋のホームページ、ブログにアクセスしていただければ幸いです。
さて今年最初の画像は糸目友禅の過程の拡大写真です。
解説いたしますと、
図案通りに糸目糊を引いたところがブルーの線で見えています。
そこに準備した染料を筆、刷毛で色挿していきます。
この図案の場合は葉、一枚一枚ずつ。
紅葉ですから赤から緑まで、全体のバランスを見ながら色を散らせていきます。
作業机の下に電熱器が置けるようになっています。昇ってくる暖かい空気に晒しながら色挿しすると、染料が早く乾くので染料のはみ出しを防ぐことができます。
色挿しが終わったところ。まだ糸目糊が青く見えています。
蒸し、洗いなどの工程を経て、色が発色し、余分な糊も落ちた出来上がり。
糊の跡が白い線状に残っています。手描き友禅が糸目友禅とも言われる由縁です。
このような糊の使い方を「糊で防染する」と言います。防染とは「染まらないようにする」こと。模様の色の境目を防染して白く残し、模様をクッキリ見せる技法が糸目友禅なのです。
ご参考までに。
鯉のぼりの鯉を伝統技法で染める場合も、今回ご紹介した写真と基本的に同じ作業工程で行います。違いは生地が鯉のぼりにふさわしい丈夫な綿であること、遠くから見えるように糊の線も太くたくましく、色合いもくっきり原色で、といったところです。
筆も刷毛も着物用より太いですが、技術としては友禅と同じ「糊防染」(のりぼうせん)
各地にのこる大漁旗なども同様。
日本では古くから糊を利用して様々なことをしてきたわけです。
※写真の糊は米ではなく合成ゴムによる糊です。米(もち粉)から作った糊(真糊)による糸目糊の例は、このホームページ「ぼかし屋の染めとは」で紹介しております。
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どうぞよろしくお願いいたします。<(_ _)>
季節の便り | 06:33 PM | comments (x) | trackback (x)