2019年10月

 
 

まもなくハロウィン
特にお祭りすることはありませんが、この時期はそれらしい色合いの物を並べたくなります。
大きなは日本調。下の鍋敷きはベトナム製。陶器部分の絵は中国風ですが、ツルの編み込みの縁取りはいかにも東南アジア風です。


後ろの水彩画は拙作。
模様ではなく、「見たままをスケッチする」練習のために月に一回通い出して2年近くなります。見た物を友禅の模様にするべく、都合よく変換して描くことばかりしてきたので、先生が用意して下さる静物を「たとえキレイと思わなくても」、花を「枯れていても」そのまま描く練習はとても新鮮で難しいです。
この画題はカボチャと栗。イガイガに悪戦苦闘(>_<)

友禅の模様幅が広がっている気がします!(^^)!



この時期らしい帯と帯〆を引っ張り出してみました。
櫛織 くしおり」の帯で一目ぼれして購入、
帯〆はお古で頂戴したもの。よく合う色目です。


櫛織のズームアップ。
糸の組み合わせが実に美しく、友禅とはまったく違う味わいです。まだ着る機会がないのですが…


季節の便り | 04:52 PM | comments (x) | trackback (x)
先月放送されたNHK BSの「関口知宏のヨーロッパ鉄道旅」でチビタベッキアという港町の教会のマリア様が紹介されていました。
チビタベッキアは古くからローマの海の玄関口だそうです。


どこにでもありそうな街の教会ですが、


祭壇の奥は日本の殉教者の群像。正面に日本聖殉教者の文字も見えます。


祭壇上部の天井画は、着物姿のマリア様です。


(写真横転、ご容赦を)

安土桃山期の富裕な女性の装いで、マリア様の白いベールは 袖があるところなど当時の女性が外出時に頭から被った被衣(かつぎ)を思わせます。濃い緑地に丸紋様散らしの小袖に金蘭の帯を締めています。
一方イエス様の小袖は真っ白で緋の袴。共にとても豪華かつ上品なお姿です。
       

作者長谷川 路可(はせがわ ろか、1897年~1967年)は、大正・昭和にかけて国内外で活躍した画家で、日本画だけでなくフレスコ画も描き、自身もカソリック信者だったそうです。
第二次大戦で破壊されたチビタベッキアの教会を再建するにあたり、ローマにいた長谷川路可が壁画の依頼を受け、このマリア像と日本の殉教者の群像が生まれたという解説でした。


教会の神父様は、関口さんのインタビューに対して、「長谷川路可は壁画を未完のままローマで亡くなってしまったので、いつかぜひ完成させたい」とおっしゃっていました。

それにしても、壁画はもちろん天井の梁にも日本調の模様が描かれた教会が、もう長く街の教会として地元に受け入れられてきた、という点に驚きます。
日本の町で、例えば、、美しい西洋人形のような仏様がローマ兵のような神将を従えているお寺が…地元のお寺として受け入れられるかというと…おそらく無理…
そこは大陸の大らかさなのか、または民族に関わらず殉教者にたいする敬意なのか、わかりませんが。

画像はテレビ画面からお借りしました<(_ _)>

着物あれこれ | 11:04 PM | comments (x) | trackback (x)
 

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