2026,10,10, Saturday
今春の染芸展の出品作の写真を紹介いたします。
会場にて
蘭は私の好きなモチーフで幾度となく試しています。
合わせる小物や着付けのバリエーションで年齢的には20代からグレーヘアの年代まで着られる訪問着を目指しています。

訪問着の背中部分
展示は衣桁にかけて背中側がよく見えるように飾ります。
豪華に見える一方、実際に着用した時の様子が分からない欠点があります。
そこでこんな風に写真を撮りました。

着た時にどんな風に見えるのか かなり良く分かりますよね。私はこれを「姉様畳み」と呼んでおります。姉様人形に因んで。

一番気になる上前の襟、胸元部分
衣桁に飾るとまったく見えなくなってしまう所がこれなら良く分かります。
本来一番大切ですよね!
余談になりますが、なぜ着物の展示は衣桁掛けるのでしょうか。衣桁に飾ると着物は「大の字」しかも後ろ側だけになってしまいます。
和服姿で大の字になる事はほぼあり得ないのですが。
これは私の想像ですが、たぶん「飾る程の大切な着物といえば昔はすべて織物だったから」でしょう。
十二単の上着、能衣装、打掛など権力や財力にリンクした着物は古来みな織物でした。織物は※先染(さきぞめ)でパターン化した模様が繰り返されるので 衣桁飾りで背中が一番良く見える状態でも問題はありません。
一方、江戸時代以降に発達した友禅染は※後染(あとぞめ)です。白生地に模様を描く時に「着た状態」を想定して柄付けするので衣桁に飾ると一番よく見える背中は、実は帯に隠れる所ということになってしまうのです。
蘭の訪問着を和室で姉様畳みにしながら「それにしても、」と思います。
友禅染を立体的に飾る新しい方法は生まれないものでしょうか。衣桁ではなくて。
最後に工程から数枚紹介します。
図案写し

剥ぎ合わせミシンかけ

色作り(染料を煮る)

色挿し
※ 糸の状態で色を染めてから織られた生地を先染め、白いままの糸で白生地を織ってから生地を染めることを後染めと呼びます。
ぼかし屋の作品紹介 | 11:28 PM | comments (x) | trackback (x)



