2016,09,18, Sunday
帯用に厚く織られた生地を使って、染め帯を制作中です。下絵。生地に模様を置いたところ。
写真上方から前柄、お太鼓柄、手先の順で下絵が描かれています。
手描き友禅の染め帯の一般的な柄行きです。
今回はお太鼓の下にのぞく手先にも少し柄を入れました。
図柄は王朝風の女の子二人が蹴鞠をしているところです。
衵(あこめ、少女用の袿)をおはしょりして、切り袴に沓を履いています。
本当は、年齢に関わらず蹴鞠は男性だけの楽しみ事でしたが、
ま、そこは現代の模様なので。
パレットのように色々な色がついている「試し布」が写っています。
柄に合わせて作った染料が希望の色のなったかどうか、絹地で確かめるための小切れです。
伸子針でバッテン張りしてピンとさせて使います。
模様伸子で張った生地の上下に、何やらハンカチが見えます。お弁当を包むような大判のもの。作業をしない部分を巻き取って汚れないように保護しているのです。
作業机近辺は始終拭き掃除して、染料粉などが生地に付かないように注意しています。
この図案は顔があるので胡粉を使います。
すぐに使えるようになっている友禅用の胡粉ですが、念のため乳鉢で摺って使います。
色挿しが済みました。向こう下が、梅枝の前柄です。
ぼかし屋には久しぶりの白地の帯になります。
将来汚れが目立ってきたら、模様部分だけ伏せ糊で防染して地染めができます。
元が白いとどんな色にでも染められて、誂えが二度楽しめるので、特に器物や人物が模様の時は白地、または薄い色目の帯はお勧めです。
あとは蒸し、洗い、湯のし屋さんへ進み、戻ってきたら金彩で仕上げ作業の予定です。
お顔も描かなくちゃ。(^^)/
9月25日 追記
帯の仕上げが出来上がりました。
作業風景を写しました。
蹴鞠をする二人の女の子。源氏物語風に言えば女童(めわらわ)
今風に言うならサッカー女子なので、画題は「なでしこジャパン」としました。
「しゃれ帯展」に展示予定です。
ぼかし屋の作品紹介 | 05:39 PM | comments (x) | trackback (x)