友禅屋の複雑な気持ち

 
7/20朝日新聞紙面で、とても美しいドレスの小さな写真をみつけました。
記事を読んでみると……
これが複雑な気持ちにさせられる内容でした。

「テクノロジーをまとう」と題して、最先端のスキャンや印刷技術を使ったファッションの紹介記事なのです。





目についたのはこの写真



新聞写真ながら、なんて綺麗な花のドレスでしょう!!
記事によれば、精密な3Ⅾスキャナーで生花を直接取り込んで生地に印刷したものだそうです。
立体をスキャンできる3Ⅾならではの奥行ある花柄になっているとのこと。
本物のお花を直接スキャン?!とアナログ人間としては驚くばかりです。
手描友禅の長々とした工程で、花びら一枚一枚から手描きする友禅屋としては、スキャン!印刷!というところで複雑な思いを抱きますが、こんなに綺麗ならもはや何も言えませんね

成人式がインクジェット印刷のレンタル振袖に席巻されて久しく、それを残念に思ってきました。どんな種類であれ「染めの着物」を着てほしいものだと考えてきましたが、印刷技術も、コンテンツを取り込むスキャンの技術も、デザイン力もすべて向上してきているということなのでしょう。
この記事のドレスと同じように高い技術とデザイン力による、友禅屋も脱帽するような美しいインクジェット印刷の振袖が世の中に出てくる日も遠くないのかも……
プロ棋士がAIに勝てない時代になっていることだし……(+_+)
フクザツです……


着物あれこれ | 12:08 AM | comments (x) | trackback (x)

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