2018,01,18, Thursday
長年見たかった屏風にやっと対面してきました。日月松鶴図屏風(室町時代)
このように完全な形(六曲一双)で残っている屏風としては、とくに彩色画を描いた金屏風としてはおそらく一番古い時期の作例だそうで、ぜひ一度観たいと思いつつ、なかなか機会がなかったのでした。
室町時代のいつなのかも作者も不明とのこと。
想像していたより色が美しく、重厚な松だけでなく、
色々な植物が描き込まれていました。
解説によれば、春を表わす右側にはタンポポやスミレ、ツツジが、秋を表わす左側には藪柑子やアシなどいずれも身近な植物が描かれているそうです。
金色を背にした鶴の色がよく残っているわりには、下の花々がこのように黒ずんでいるのは銀が使われているのかもしれません。上の方が金色、下の方が銀色できっと華やかな豪華な屏風だったのではないでしょうか。
写真(絵葉書をスキャン)では写りが悪いのですが、マナヅルの羽根の色合いはエメラルドブルーからブルーグレー、グレーへのグラデーションでした。
同じ室町時代といっても狩野派や長谷川等伯などが活躍した安土桃山期より古く、彼らが先輩絵師の作として参考にしたかもしれない屏風です。
いったい誰が、誰の注文で描いたのでしょうか。
この屏風の展示はもう終わりましたが、今はもっと著名な作品が展示されていますよ。
雪松図屏風 円山応挙(国宝)
場所は三井記念美術館、2/4まで。
最後に、日本画ではあまり見かけない枇杷を描いた図を紹介!(^^)!
お目出度い図柄だそうです。
枇杷寿帯図(清朝、乾隆帝時代)
展覧会ルポ | 11:24 PM | comments (x) | trackback (x)