サウジアラビア展

 
サウジアラビアとても古い織物を見る機会がありました。


※会期延長されています。5/13まで東京国立博物館の表慶館で開催中。

いずれも紀元前3世紀~後3世紀のもの。


羊毛で人物を織り出したもの。


亜麻で細かい幾何学模様を織り出したもの。


羊毛のチェック柄


一緒に掘り出された紡錘車や針、糸玉

糸を染めつけて、このように細かい技術で模様を織り出していたのですね、驚きました。
正倉院御物よりはるかに古い時代のものです。

 印象深かったのは、紀元前1世紀~8世紀のガラスの製品たち


何となく東洋っぽく親しみがわくのは…… おそらく形。
お鉢なのです。西洋風の皿やグラスではなく、深みのある様々な形の鉢型。



写真では陶磁器に見えてしまうかもしれませんが、みなガラスで透明感もありました。
和食器だと言っても通りそうです。


最後に驚くほど古い遺物を紹介


これは何でしょう?

100万年以上前の石器だそうです。石を削って鋭い角を作り、獲物をさばくのに使用したものだそうです。ゲンコツくらいの大きさ。
斧など石器の刃物にいたる前の道具で、アフリカで誕生した人類がアラビア半島を通ってユーラシア大陸へ拡散する過程の遺物とのこと。まだネアンデルタール人が共存していた時期ですよね!!


紀元前6000年位になると石の錐など鋭い石器が作られたそうです。

100万年前から6000年前へ……私たちの祖先は石器をこのように尖らせるのに、膨大な時間がかかったのですね。
江戸時代からの手描き友禅、なにやらチンマリした感じの技術に感じてしまいます(^^;)


追記 2018年9/26  ブログ内容を訂正いたします。
NHK BS放送「人類誕生 未来編」によれば、180万年ほど前にアフリカで生まれたホモ・エレクトスがやがてインド、東南アジアへ進出(北京原人やジャワ原人と呼ばれる)したので、アラビア半島で発見された100万年前の石器はホモ・エレクトスの遺したもの。私たちサピエンスではないのでした。
エレクトスは狩りを行って肉食し、感情を持ち社会生活と営んだ最初の人類で、老人を扶養した事が分かっているそうです。(高齢のため歯が欠落した頭蓋が出土)
ちなみに、
ネアンデルタール人の登場は40万年前~35万年前、ホモ・サピエンスは20万年前くらいにアフリカで生まれており、この時期はアフリカのサピエンス、ヨーロッパのネアンデルタール人、アジアのホモ・エレクトスという3種の人類が併存していたそうです。
なんだか…すごい…

展覧会ルポ | 08:38 PM | comments (x) | trackback (x)

ページのトップへ