2020,10,10, Saturday
大倉集古館の「近代日本画の華」展を観ました。(写真は展覧会チラシとNHKアートシーンの画像から)
1930年にローマで開かれた日本画の展覧会の出品作の展示です。
右上は竹内栖鳳の「蹴合」闘鶏の図で、チラシのサイズではただ黒い鶏に見えていますが、実物はとても綺麗な彩色で、闘う鶏の羽根が生き生きと躍動。
若冲の鶏が苦手な方でも、この絵は気に入ることと思いました。
この絵と並んで、とても美しい白鷺の絵がありました。
宇田荻邨 「淀の水車」
鷺の白い羽根が、ぼかしで水に溶け込んでいるような描き方が印象的でした。どうにかして真似したいものです。
さてこの新聞記事をご覧ください。
朝日新聞 9/15 美の履歴書より
この展覧会を代表する展示、横山大観の「夜桜」の紹介記事で、
見出しは「咲き誇る春 見せたい相手は?」
この絵を見るのはヨーロッパ美術の大御所、イタリア人であることを大いに意識して制作された絵だという解説です。
もちろん日本人が見ても、篝火(かがりび)に照らし出された夜桜は豪華です。
記事に「桜はすべて正面を向いている」とあり、確かにその通りでした。
着物の模様として絵を描く時は、きれいに見える角度だけ描くことはよくあるのですが、絵画でこの表現は珍しいのでしょうね。
「正面向きだけ描く」といいますと、かつて当ブログで紹介したことのある、※我が鈴木其一の「朝顔図」もそうです。
ただしこちらは葉っぱが正面向き。
朝顔のツルがのびのびと画面を覆っています。葉っぱは正面向きだけである方が、ツルの動き、方向性に目が行くからだと思っております。
※ぼかし屋は長年にわたり鈴木其一のファンなのです(‘◇’)ゞ
朝顔図は2016年10月14日のブログで紹介しております。
展覧会ルポ | 07:26 PM | comments (x) | trackback (x)