2014,05,10, Saturday
東京手描友禅 模様の参考に表参道にある根津美術館で「燕子花図と藤花図」の展覧会を見てきました。
主な展示は応挙の藤花図と光琳の燕子花図。
美術館の所蔵品の中からこの二点を並べて鑑賞する趣向です。
今回はこの二点についてのコメントは遠慮するとしまして、この2点以上に収穫だったのは!
私の大好きな画家、鈴木其一の「夏秋渓流図屏風」です。この作品を観るのは初めて。向かって右が夏、左が秋の渓流図で、特に夏図が印象的でした。(写真は図録より)
鈴木其一「夏秋渓流図屏風」 夏図(右)
秋図(左)
夏図はかなり写実的な大木に、実際より大きく描いた山百合と竹笹を配置しています。会場の解説にもありましたが木と百合の写実性に比べ竹笹が極端に単純化されています。
(夏図の中央を拡大)
そのために屏風全体を観ると、より木と百合の写実性が増す効果があるとのこと。眺めていると確かにそう感じられます。画面が生き生きしています。
友禅の模様を彩色する時も、何もかも細かくぼかして染めるより、四分の1位は塗り切りの部分も作っておく方がぼかしの部分が引き立ちます。
(これは別にぼかし屋オリジナルではありませんが)
なるほど、模様を形作る時も、写実的な部分に対して、デフォルメや単純化の部分をバランスよく配置すると面白いのですね!其一先生!
他に大いに参考になると思ったのが、
「四季草花図屏風」「伊年」印
全部で68種もの草花が描かれていてまるで友禅の作図のお手本のようでした。それに描かれた植物の一覧を図録に載せてくれているので「花の描き方教本 琳派版」といったところです。
ちなみに「伊年」とは俵屋宗達から始まった俵屋のブランド名の一つだそうです。
今回の展示でもうひとつ模様のヒントにしたいのは、
「色絵紫陽花図角皿」 尾形乾山
紫陽花の花と手前の柵が縮尺を気にせずに描かれています。紫陽花の花が好きなので是非次回はこんな可愛らしい模様で描いてみたいものです。乾山のように、というのもおこがましいですが。
最後は花の盛りの^根津美術館の庭の写真です。
あいにく携帯電話のカメラで画質が悪いのですがご容赦を。
お庭も燕子花と藤の盛りでした。
展覧会ルポ | 10:23 AM | comments (x) | trackback (x)