東京手描友禅 模様の参考に。五島美術館の展示。

 
東京手描友禅 模様の参考に、五島美術館の秋の展示「絵画、書跡と陶芸」に行ってきました。



一番の目当ては紫式部日記絵巻。
現存する物語絵巻類では最も古いだけあってかなり退色していますが、引き目鉤鼻の公達や女房たちが上品で静かに美しく、何度見ても見飽きません。


 中宮彰子が男子を産み、女房たちが正装でかしずいているところ。
 解説によれば女房の髪型は正式に前髪を結い上げているそうです。確かに額の上に摘み上げたように髪が上がっています。平安時代、女性はお下げ髪が基本ですが、正式な場面では奈良時代の女性のように前髪を高く結って飾りを付けたそうです。


 中宮を訪問した公達を紫式部が迎えているところ。
 西洋絵画で「○○を訪問する△△」というタイトルなら、訪問される側、訪問者ともに従者を従えて画面中央にドンと描かれるものですが、この図はポイントが右によっていて、位の高い中宮様は大きな屋敷の奥深くにいることを匂わせているだけ。とてもとても日本的ですね!
 ハッキリ表現せずに、良くも悪くも間接的に「ほら、わかるでしょ」と伝える日本風の原点のように思います。


 静かで上品に見えつつ実は儀式の後のくだけた宴会の様子を描いているそうです。
 盃片手に歌う人、女房の容姿や衣装を品定めする人、「この辺りに若紫さんはいらっしゃいませんか」と美男の誉高い公達が紫式部を探していたり。
今も昔も「打ち上げ」は楽しいひと時ですよね!

 尾形乾山の屏風絵の展示もありました。


尾形乾山 「四季花鳥図屏風」 左

                 右
 陶芸が有名な乾山の、これほど大きな絵画は初めて見ました。さっくりソフトに描いた感じ。

 特にきれいだったのは、輪郭を描かずに胡粉の白をぼかすことで姿を表現した白鷺の群れ。真似てみたいものです。

五島美術館はお庭も有名なので一巡りしました。

ムラサキシキブの花 ちょうど今が季節なのですね。

立派な寿老人。思わずお参り。

古墳があるとは知りませんでした。

名前が分からない花。受付の女性に尋ねましたが、「え~っと、何でしたっけ!忘れてしまいました」とのことでした。(^^;)
どなたかご存じの方、お問い合わせフォームで教えてくださいませんか。

※追記 2014/12/11
教えていただきました。エゾツリバナ(蝦夷吊花)だそうです。
秋に赤く熟した果肉と種子を採取するそうです。薬効もあるとか。

展覧会ルポ | 05:33 PM | comments (x) | trackback (x)

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