手描友禅の本拠地、金沢へ旅行 ①春の味

 
 時流にのって?手描友禅の本拠地、金沢へ旅行に行ってきました。
新幹線開通に沸いていますが、飛行機で行きました。交通費は飛行機の方がお手頃だったので。
 金沢は二度目。前回は大昔の話で、名古屋回りで延々と長い特急列車の旅でした。
 実はその時初めて見た手描友禅にカブレたのが、
ぼかし屋としてそもそもの始まりだったのでした。懐かしい~!

 今回は美味探訪。とても美味しく楽しいお店を見つけたので紹介します。
 
 観光ルートに従い、ひがし茶屋街と主計町(かずえまち)を歩いたあと、すぐ近くの並木町(浅野川、梅ノ橋のたもと)の魚常さんという割烹料理屋さんに行きました。

 予約がないのに、板前さんがニコニコと迎えて下さり、きっぷのよい女将さんが新参者にも分かりやすくお料理の説明をして下さいました。板前さんは女将さんの息子さん。
父である先代の板前さんを亡くされてちょうど1年経つという時のご縁でした。
 今は板前さんの奥様も一緒に、ご家族皆さんでお店を盛り立てておられるそうです。

 女将さんの助言で加賀料理コースを選び、初心者らしく加賀の春の味を試しました。
オードブルの後、女将さんが「これ大丈夫かしら」と笑いながら
テーブルに置いてくださったのが、「イサザの踊り食い

 イサザは春を告げる魚だそうで、「これが出ると春だなあと思う」のだそうです。
幾らか金色味を帯びた小さな細長いお魚さんがグラスの中でピチピチと!元気よく!
そこにウズラの卵をのせてあり…。
踊り食いに縁のなかった私は一瞬固まった後、
女将さんの教えに従って「のど越しを味わうように」頂戴しました。
 ご馳走様とは、動植物の命を頂戴することだとよく言われますが、実感、実感!!
ツルンとしつつも、つぶつぶ感のあるのど越しを確かに味わいました。私も気分は春です。


   これは有名なじぶ煮

 鴨肉と簾麩(すだれふ)を使うのが本来ですが、今は鴨猟が基本的に禁止なので、たいていのお店は鶏肉。魚常さんは頑張って仏産の鴨肉を手に入れているそうです。
フォアグラを頂戴したあとの鴨サンだとか。有難くパクパク。



 きれいな酢の物。金沢野菜、ほたるイカと一緒の白く透き通ったものは、ノレソレ
アナゴの稚魚。「ホントにこの季節しか食べられない魚ですよ。ノレソレって紛らわしいからアレコレとか何とか呼んだりしますけど」とは板前さんのお話。
つるぅんツルン! お魚になる前の味わいでした。
ほたるイカは金沢と富山では味が違うそうです。とにかく新鮮なので、
それこそのど越しさわやかでした。ビールの宣伝のようですが。


     白エビの天ぷら。

 エビの美味しさは勿論ですが、コゴミ、フキノトウの苦味がやはり春のお味で。それに好みで塩をつけて食べるのですが、その塩が美味しい!塩だけ舐めても美味しい。
能登産の天然塩だそうです。
これを舐めながらお酒が飲めると心の中で思いましたが、表に出すのは控えました。(^^;)
 塩を舐めて酒を飲むというのは、確かどうしようもない呑兵衛の所業であったと思いまして。

楽しく食べお話を楽しみ、女将さんから布ウサギのお飾りをいただいてお店を後にしました。



 お店は浅野川沿い。川べりの桜は固い蕾でしたが、今頃はきっと満開でしょう。
 来春もまた行って、もう少し落ち着いてイサザの踊り食いを味わいたいものです。
何しろ舞い上がってしまい、写真を撮り忘れたのですから。


  翌日訪れた近江市場でイサザを発見。

 やはりピチピチと泳いでました。ビニールの中で。運ばれる先は…。
ご馳走様です。<m(__)m>

 金沢駅のお土産コーナーで「能登の塩アイスクリーム」なるものを発見。試してみたら、やはり塩のコクが効いて美味しいアイスでした。塩そのものも探して買い求めました。
魚常
さんでは塩の名前までは聞かなかったのですが、何種類かあったうちの、粒の形状と色合いから判断しておそらく「珠洲の海」、正解だといいのですが。(^^♪

魚常さんのHPとブログ
https://www.uotsune.com/
季節の便り | 11:27 PM | comments (x) | trackback (x)

ページのトップへ