2016,03,21, Monday
久しぶりに上野の展覧会へ行きました。目的の「ボッティチェリ展」を見た後、国立博物館の常設展示へ立ち寄り、東洋館で展示中の綺麗なお皿を観てきました。
琺瑯彩 梅樹文皿 雍正帝の時代、1730年頃 中国景徳鎮窯
小振りですが、白い飾り皿に繊細な紅白梅が描かれていて、「これぞ磁器!」というほどの硬質感の輝く白さでした。梅の表現がとても細かく、極めて細い筆で丹念に絵付けした様子です。
この展示に立ち寄るきっかけになったのは1/31東京新聞の記事です。
この記事のほとんどの部分は、皿の寄贈者、横川民輔氏のことが書かれています。
興味深いので、主旨抜粋で記事を紹介します。
作品の解説プレートのほとんどに「横河民輔氏寄贈」とある。
横河氏は大正期に日本橋三越本店を設計するなどした建築家で、現在の横河グループを創設した実業家でもあり、さらに中国陶磁器の世界的コレクターの顔も持っていた。
1932年から7回にわたり、東京国立博物館に約1100点を寄贈した。同館が所蔵する中国陶磁器約2500点のほぼ半数に上る。
横河氏の買い付けは、清朝の衰退期に美術品が中国からへ流出し、英国はじめ欧米列強が「爆買い」する時期だった。しかも最初から公のため、つまり博物館での展示を考えての収集だった。日本で個人がこれほど寄贈するケースはまれだという。しかも、本人は目立つことを好まなかった。
横河電機の社名は知っていても、このような創業者がいらしたとは知りませんでした。
同じ上野の西洋美術館が「松方コレクション」の名前を残して展示しているように、国立博物館も「横河コレクション」などと銘打って顕彰してもよいのでは、と思ったことでした。それぞれの作品名の小さなプレートには寄贈者名が書いてはあるのですが。
本館の展示も季節柄で、桜の文様が多く飾られていました。
仁阿弥道八 「色絵 桜樹図 透かし鉢」
この作は、どの角度から見ても鉢の外側の枝と内側からのぞく枝がつながって見えることで有名です。雰囲気も材質も柔らかい日本の陶器です。
打掛 「紅綸子地 御簾薬玉模様」(18世紀)
端午の節句に厄除けのために御簾に飾る花薬玉を描いているそうです。
端午の節句ですが、背景は一面の桜。
女性の身を飾る打掛だからでしょうか。
お洒落な意匠ですね!図案の参考にしようかな!(^^)!
同じ日、上野公園入口の河津桜。すでにほぼ満開でした。
展覧会ルポ | 11:47 PM | comments (x) | trackback (x)