東京手描友禅 模様の参考に。「日本絵画の魅惑」展

 
東京手描友禅 模様の参考に。「日本絵画の魅惑」展
 出光美術館の「日本絵画の魅惑」展で、地色を大胆なぼかし染めした着物の浮世絵が展示されていました。(写真は図録から)



  喜多川歌麿「娘と童子図」

 前回のブログで地色を裾濃(すそご)に染めると着映えがすると紹介しましたが、この図は逆。上半身ほど濃い緑色に染められています。これもステキですね!
娘さん用にしては地味な濃いお抹茶色ですが、衿や裾、袖口からのぞく真っ赤な小袖がアクセントとなって若さを引き立てています。胸元の帯の近くは白場を残した染なので、染める立場からすると、ぼかす個所が多くて引き染め作業はなかなか大変。やり甲斐ありそうです。



 懐月堂安度「立ち姿美人図」

 グレーの地色が、前記の歌麿と同じく上半身ほど濃く染められています。こちらの方が粋な大人の女性の感じ。下襲ね(したがさね)はやはり赤。渋い表地と赤の組み合わせは他にもたくさん見かけました。人気の色合わせだったのでしょうね。
 渋さの中に赤が少しあると全体がとても調和する例は、誰しも心当たりがあると思います。
例えば石造りのロンドンの街に赤い二階建バスがよく合うというような…。
 この図はもう一か所 興味深いところがあります。
この女性は髷(まげ)を自分で結い上げているところなのです。
 


 後頭部で縛った髪の束を左手で持ち上げ、右手で持った櫛で束の先を前髪後ろに留めようとしているのです。左手の指が髪をからめとって櫛に咬ませようとしていますね。
 女性の髪型は江戸の後半に島田結いなど大変複雑な形に進化しましたが、女性の風俗史によれば桃山期から江戸初期には、簡単に髪を束ねてお下げにしたり、ポニーテール風だったり、それをお団子にまとめたりと比較的単純な髪型だったそうなのです。
 この女性は、髪結いさんにまかせるのではなく自分で加減しながら髷を作っている真っ最中。
集中していますね。


展覧会ルポ | 11:30 AM | comments (x) | trackback (x)

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