東京友禅は、ぼかし屋友禅へ

 
手描き友禅は一点物のオリジナル作品なので、その模様の色挿しは、模様に合わせた染料作りから始まります。
例えば同じ緑でも、青に近い緑から黄色に近い色合いまであるのです。



それぞれの図案に合う緑を調合して作ります。例えばバラや椿の葉は青味の強い濃い色。紫陽花は黄色味のある明るい緑。菊の葉はその中間でしょうか。

染料は粉末状。材料屋さんで大びんや袋入りで売っています。作業しやすいように小瓶に移しておきます。


原色だけでなく基本的な中間色も調合されていますが、自分の染めたい色を出すためには さらに自分で調整するのです。中央に写っているのはお抹茶色。頻繁に使うので多めに準備。この色に黄や青味を足したり、茶を加えてさらに地味にしたり。


友禅染の作業机は真ん中が四角く切ってありまして、染め作業の時は電熱を置き、図案を描くときは電灯を置き上にガラス板の乗せられるのです。


昔ながらのニクロム線電熱の上に染料皿をのせ、グツグツ煮て染料を溶かして色調整します。


色試し布を使います。水彩絵の具などとは違い、友禅染の染料は液体状では色が正確に判別できないので、必ず布を染めて確認します。


これでよし!となったら煮えている皿を電熱から下ろして粗熱を取ってから作業机に上げます。なにしろグツグツのままでは染料が飛び散る危険もありますから。


熱がとれたら、必要に応じて均染剤(ムラ防止)とトメゾール(粘剤、はみ出し防止)を加えで色挿し準備完了となります。



東京手描友禅の道具・作業 | 12:09 AM | comments (x) | trackback (x)
フェルメールはオランダが貿易国として一番華やかだった時代、17世紀の画家です。日本で言えば徳川家光のころ。長崎に出島ができて鎖国の日本がヨーロッパの国として唯一通商を続けた時期です。同時期のレンブラントほどの知名度はありませんが、一番有名な「真珠の耳飾の少女」(青いターバンの少女)ならご存じの方も多いのでは?
実はぼかし屋イチ推しの絵がフェルメールのこの絵。(写真は展覧会チラシと絵葉書から)


窓辺で手紙を読む女  所蔵:ドレスデン国立古典絵画館

昔々まだ高校生だった時に都内の展覧会に展示され惚れ込んで以来です。ドレスデンは遠く、再度見られるとは思っていませんでしたが、何と絵の方が上野に来てくれたのです。


「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」
4/3まで。上野の東京都美術館にて。


この展覧会チラシは工夫されていて


このように表紙の絵の右半分が入れ替わるように印刷されていて、


入れ替えると絵の右上にある絵、壁にかかったキューピッドの絵が消えるのです。女性の後ろはモスグリーンの薄明るい色合いで無地。(それはそれで実に美しい空間でしたが)
長い間、フェルメールの作品として親しまれてきたのはこの状態の方。ですから嬉しい配慮です。キューピッドは絵を修復した結果、現れたのです。

誰が何故キューピッドを消したかは諸説あり分からないそうです。
ぼかし屋の勝手な想像では→ 持ち主が厳格なキリスト教徒だった時期に「愛のキューピッド」を嫌って消した、です(^^;)

展覧会の解説を要約しますと、無地の壁にはもともとキューピッドが描かれていることは以前からレントゲン撮影で分かっていました。


でもそれはフェルメール自身によって塗り潰されたと考えられてきました。であれば無地の壁はフェルメールの制作の一部です。
ところが最新の技術によって絵具の経過年数が分かり、塗りつぶしの絵具はフェルメールの没後何十年も経ってから塗られたことが分かったそうなのです。すると壁にはキューピッドがいることが彼の意思。
そこでキューピッドを覆っていた絵具を少しずつ取り除き、フェルメールが描いた状態へ修復したのだそうです。



汚れも落とした結果、キューピッドが現れただけでなく、窓からの光はより明るく、女性の姿も背景の壁も明るく浮かび上がったのでした。


東京都美術館に飾られた絵はモスグリーンの色調の中に青、赤、緑、黄が落ち着いた色合いで溶け込み、光の中に手紙を読む女性がいました。女性の服のシワ、後れ毛に光が反射して深みを出していました。


キューピッドの絵が飾られた室内の描写は手紙がラブレターであることを暗示しているそうです。フェルメールの作品の中では大型で、近くで鑑賞できたのでオリジナルならではの細やかな筆使いと色合いを見ることができます。
まだ会期がありますがコロナ感染防止のため入場は予約制です。これからお出かけの方は上野公園の桜が見られそうですね。


展覧会ルポ | 11:08 PM | comments (x) | trackback (x)
今日は手描き友禅に欠かせない道具の手入れをしました。
伸子針の色抜きです。伸子針(しんしばり)というのは、


このように地色を引き染めするにも


模様の色挿しをするにも、は生地をピンと張る必要があります。欠かせないのが伸子針で、竹の先端に金属針を打ってある棒針です。
生地を横糸にそって横断するように端と橋に金属針をかけて、生地を突っ張らせる感じです。


染めが終わると染料がついてこんな状態。このまま白い生地に使えばどうなるか。赤や青の染料で汚れてしまいます。
次回の使用に備えて染料を煮洗いして落とすのです。


方法は一つではありませんが、ぼかし屋では大きなホーロー鍋で ハイドロコンクという粉末の抜染剤を入れて煮落とします。


グラグラ煮ています。
針の上下を入れ替えながら。竹も熱くなっているので軍手が欠かせません。


色が抜けたら、今度は水洗い。ハイドロコンクの成分が竹に残らないように。


水切りして日当たり良いところで二三日かけて完全に乾燥させます。
湿気が残っていると保管中に竹にカビがつく心配があります。


綺麗になりました。次の染めへスタンバイです。

ちなみにこの伸子針。自然の竹で職人さんが作ってくださるものなので、一本一本の太さが微妙に違っています。
染めの作業をしていると、その時々によって、生地が含んだ水分の具合が変わり、すると生地の横幅に違いがでることがよくあります。針をうっても今一つピンとしない事や、逆に張り過ぎて生地が痛がっているような場合があるのです。
そこで竹ごとの太さの違いを利用して、適切な針に差し替えて、ピン!の張り具合が生地と染め作業にとって丁度よいように調節できるのです。
竹の伸子と違って染料が浸みこまないグラスファイバー製の伸子針もあるのですが、ぼかし屋では竹一辺倒です。
竹ですから何度も使えば折れることもあり消耗品なのですが、これからも作って下さる職人さん、よろしくお願いいたします。


東京手描友禅の道具・作業 | 02:59 PM | comments (x) | trackback (x)
「美の壺」で着物が取り上げられます

着物好き必見のテレビ番組が放送されます。
ぜひ見てみましょう!
 1月7日 NHK BS放送で19時30分~
美の壺 スペシャル「着物」



色々な種類のお洒落な着物が見られそうですよ。

お知らせ | 05:51 PM | comments (x) | trackback (x)
東京手描き友禅 ぼかし屋 新年ご挨拶

  謹賀新年
ぼかし屋友禅 宮崎 桂子

今年も「きものブログ」で、友禅染めの様子や道具や材料、生地、模様の参考となる日本美術のことなど、ゆるく広く紹介していきたいと思います。
ふと思い立った時には是非ぼかし屋のホームページ、ブログにアクセスしていただければ幸いです。

さて今年最初の画像は糸目友禅の過程の拡大写真です。
解説いたしますと、


図案通りに糸目糊を引いたところがブルーの線で見えています。


そこに準備した染料を筆、刷毛で色挿していきます。
この図案の場合は葉、一枚一枚ずつ。


紅葉ですから赤から緑まで、全体のバランスを見ながら色を散らせていきます。


作業机の下に電熱器が置けるようになっています。昇ってくる暖かい空気に晒しながら色挿しすると、染料が早く乾くので染料のはみ出しを防ぐことができます。

色挿しが終わったところ。まだ糸目糊が青く見えています。


蒸し、洗いなどの工程を経て、色が発色し、余分な糊も落ちた出来上がり。


糊の跡が白い線状に残っています。手描き友禅が糸目友禅とも言われる由縁です。
このような糊の使い方を「糊で防染する」と言います。防染とは「染まらないようにする」こと。模様の色の境目を防染して白く残し、模様をクッキリ見せる技法が糸目友禅なのです。


ご参考までに。
鯉のぼりの鯉を伝統技法で染める場合も、今回ご紹介した写真と基本的に同じ作業工程で行います
。違いは生地が鯉のぼりにふさわしい丈夫な綿であること、遠くから見えるように糊の線も太くたくましく、色合いもくっきり原色で、といったところです。
筆も刷毛も着物用より太いですが、技術としては友禅と同じ「糊防染」(のりぼうせん)
各地にのこる大漁旗なども同様。
日本では古くから糊を利用して様々なことをしてきたわけです。

 ※写真の糊は米ではなく合成ゴムによる糊です。米(もち粉)から作った糊(真糊)による糸目糊の例は、このホームページ「ぼかし屋の染めとは」で紹介しております。

このホームページにはぼかし屋友禅あての「お問い合わせ票」があります。「お問い合わせ」から自動的に送信できますので、ブログへのご質問、感想などもお気軽に発信していただけたらと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。<(_ _)>
季節の便り | 06:33 PM | comments (x) | trackback (x)
日本の婚礼衣装展 そごう美術館

見て来ました報告が遅くなりましたが、横浜のそごう美術館に行ってきました。
「ジャパニーズウェディング 日本の婚礼衣装展」

江戸末期の武家の婚礼衣装や道具から1900年前後の商家、豪農の花嫁衣装が、これまでにない規模で展示されていました。
会場入り口すぐ、大名家伝来の打掛、帷子三点の展示だけは撮影自由でした。



三点とも主役は刺繍。武家の婚礼で花嫁や付き添いの女中衆が着用したものだそうです。
松竹梅を基本に、水に遊ぶ亀を配置した図柄です。


竹笹は匹田糊を使って防染し、鹿の子模様です。糊や染料の出番はここだけで、あとは総刺繍。経過年月にも関わらず、素晴らしい保存で糸の退色が感じられず、伸び縮みによるツレも気にならない程度です。
目を近づけて、つくづく拝見。


松の放射線状の糸に勢いがあり、


岩が厚みや、水の軽やかさが糸の挿し方で表されていますね!!


亀は刺繍に刺繍を重ねて甲羅を重々しく。


こちらの亀は染めの上に刺繍を重ねています。


鶴も羽の羽ばたく向きに糸が通っています。

さて今度は明治期以降の町方の婚礼。

この写真ご覧ください。
松竹梅の図柄で三色の地色で染め分けられています。



披露宴で今も使われる「お色直し」という言葉。白い衣装だけでなく、色物の衣装も着たいから、あるいは、多くの衣装を持って嫁入りすることで家の力を誇示した名残りで使われる言葉だと漠然と思っていました。でももっと深い意味があるそうなのです。

(写真は図録から。解説は主にNHK日曜美術館アートシーンより)
日本語の白、赤、黒の語源は 昼の白、夕焼けの赤、夜の黒だそうです。それをすべて重ねることで、時間の移ろいを見にまとうという意味があったとか。
婚礼の時、輿入れ、盃事は白い衣装で、夕刻のご披露は赤から始まり、やがて深夜の黒へというのが「お色直し」
よく言われる「婚家の色に染まりますという意思表示」としての白でもあったでしょうが、アートシーンによれば、自然な時の流れをそのまま取り入れるという日本人の自然観が、婚礼衣装に現れているという解説でした。

江戸時代の婚礼ファッションブック「手鏡模様節用」1700年代末頃


右下に文字で、上着の地色は黒、中着の地色は赤、下着の地色は白、と書かれていて、挿絵の着物は裾をめくって描かれ、黒、赤、白の重ね着だと分かるようになっています。

展示では様々な三色の取り合わせが見られました。


まったく同じ図柄の色違い。おそらく重ね着でしょう。
三着とも、きっちり左右対称な柄付け。注文主の性格もしのばれますね。
財力によって三色を着替えたり、重ね着したりしたそうです。地域性や流行もあったことと思います。


こちらは打掛三点です。どれも裾のフキが厚く刺繍も多く、でもよく見ると図柄は少しずつ違えてあります。昼、夕、夜で着替えたことでしょう。

1900年代になり財力面で中間層が増えてくると、手に届くお値段の贅沢を求めて衣装の簡略化が進みます。
こちらは着用時に下になる部分を(どうせ見えない)簡単な生地で代用したもの。着れば三枚重ねに見えます。


日本では十二単の昔から着物を重ねて(襲ねて)着ることが礼装として大切なポイントでした。このような工夫は、簡略してもなお礼装、三衣襲ねでありたいという意味でしょう。
さらに簡略化され、重ね着を止めたのがこちら。

1930年頃の婚礼用振袖。もはや表着の黒だけです。
図録のこの写真は会場でも同じように着装で展示されていました。現在の振袖にかなり近い着装です。重ねの部分は比翼仕立てになっていると思われます。着物の裾と袖、袖の振りにだけ生地を縫い付けて、二着を重ね着しているように見せるものです。
このような黒地の振袖は1900年代半ばで長く花嫁衣装の主役でした。

このような比翼仕立ては今でも黒留袖に残っているものの、現代の振袖ではほとんど見られなくなりました。
黒地の振袖の着装、後ろ姿。


丸帯(帯全体に模様が織り込まれている織り帯)を膨ら雀(ふくらすずめ)の形に結び、腰にはしごきを巻いています。現在では袋帯(着装時に隠れる部分の模様織を省き軽くした)が主流で、しごきも七五三女児だけに残っています。
現代の振袖でも重く動きも不自由ですが、かつて本当に三着も重ねていたお嫁さんはさぞ重かったことでしょうね(^^;)

会場には何本か帯も展示されていました。その中で一番美しかったのがこちら。


葉も花も、ほとんどの色目にグラデーションがあります。濃淡をだす毎に僅かずつ織り糸を変えていくことを想像すると、恐ろしいほどの手間の結晶です。

本当に目の保養でした。

展覧会ルポ | 10:55 PM | comments (x) | trackback (x)
このきものブログでは友禅染や着物、伝統文様、日本画に関わる展覧会をご紹介してきました。ついつい残り会期が短くなってから、または終わってしまってからの掲載が多かったのですが、今回は、これから始まる展覧会です。
新聞でも取り上げられていました。


      寿(ことほ)ぎのきもの
  ジャパニーズ・ウェディング―日本の婚礼衣裳―
                        そごう美術館
 開催期間:2021年10月16日(土)〜2021年11月14日(日)

 https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/

催事場を使って展覧会を開くデパートはたくさんありますが、横浜そごうは美術品の資格を持つ会場です。JR横浜駅からすぐ。
江戸時代の武家、町人の婚礼だけでなく、近代以降の婚礼についても展示されるそうです。
婚礼衣装の豪華なものが一番多く作られたのは身分制度が廃された近代になってから。資金さえあれば誰でも織りや縫いの打掛、振袖を着用できるようになったためです。


婚礼雛道具なども見られるようですよ(*^^)

お知らせ | 03:49 PM | comments (x) | trackback (x)
山形県鶴岡市致道(ちどう)博物館を見学する機会がありました。
旧庄内藩の文化、産業、建築の伝承のために1950年に設立され、市中心の広い敷地に移築された保存建物が点在し、農具、漁具(船も)、生活用品などが展示されていました。とてもとても面白かったですよ!


敷地内で必見なのは、「旧渋谷家住宅」
合掌造りのような多層民家です。感激したのは、建物内に民具類が展示されていることです。




あるべき物があるべき場所に。同じ道具でも資料館の所蔵品として展示ケースのガラス越しに見るのとは迫力が違いました。

寝室に相当する小部屋。左上の窓から光が差し込み、和風フェルメールの絵になっていました。


「掻い巻き」という着物の形の布団が、敷いてあるもの、壁に吊ってあるもの、脇に畳んであるもの、とリアルです。糊防染の藍染なので手描友禅の仲間。厚みがあり、くるまれば暖かそう。右下に丸太が見えますが、枕替わりだったそうですよ!

作業部屋に織り機が並んでいました。

奥から、
「シナオリ」科の木(しなのき)の皮から作った繊維を糸状にして織る。
「オロコギ」和紙を裂いて木綿糸と共に撚りをかけた糸で織る。
「サキオリ」裂織。裂いた古木綿を小撚りした糸で織る。

お気づきでしょうか。
すべて今なら捨てられてしまう材料ばかりです。

シナオリでは木の皮を水に晒したり煮たりして繊維を細くして糸にするそうです。




オロコギは使用済の和紙と木綿の再利用。


サキオリはもとの古木綿の色合いを利用して模様織りが出来るようでした。


別棟の展示室には保存状態のよい完成品もありました。
(こちらはガラス越し展示)


オロコギ 軽くて丈夫。防寒の仕事着。


サキオリ 厚くて丈夫。漁師の防寒着。元の古木綿の色で縞模様になっています。


こちらは庄内地方以外でも一般的な木綿の刺し子。古布、古糸の結晶ですが、結果として優れたデザインですね。傷みやすい衿回りは布を重ねて補強しているように見えました。

木綿が大量に生産、流通するようになるまで、布、糸はたいへん貴重なものでしたから、傷んだら解き、良いとこ取りして仕立て直し、最後は繊維を撚ってさらに糸にして再利用しつくしたと、聞いてはいましたが、本物の織機や布を見るのは初めてでした。
ちなみに、荘内は絹の産地でしたが、ここで見る庶民の暮らしにはまったく登場しません。絹糸は生産するだけで、着る物ではなかった時代が長かったのですね。

最後に一枚。
羽越本線の車窓から見た荘内の空。向うは日本海。


関東で見る空と違い、雲が多重で豪快。水蒸気量が多いのでしょうか。
まるで教会の天井画のようでした。雲の上から天使がこちらを覗いているような、天から光が降ってくるような。

着物あれこれ | 06:30 PM | comments (x) | trackback (x)
このところ訪問着のための蘭の模様の図案を描いています。
全体に蘭の濃淡と、地色も淡いグリーンからクリーム色の濃淡にする予定。



なかなかに苦戦しています(^^;)
何をと言って、蘭の形が決まらない…
昨日、ヨシ!と思っても、今日、ダメだ…を繰り返しておりまして。


一度決めた姿を調整しています。


調整につぐ調整で、頭の中の完成図がグラつきます。(T_T)


少しずつ良くなっていると思いたい日々です。

関東はまだ暑さが残るものの、空気がカラッとして、しのぎやすくなりました。
引き染めに向いた季節がやってきます。
急がないと。

東京手描き友禅 模様のお話 | 10:33 PM | comments (x) | trackback (x)
着物を着たパラアスリートの絵

今日は8月28日 関東地方は非常に暑く、東京にも熱中症警報が出ています。
暑中見舞い、ではなくて熱中お見舞い申し上げます。
本日の話題は今開催中の東京パラリンピック関連のこの新聞記事から。


昨年12月17日の朝日新聞の紙面

日本画家、山口晃さんが制作した東京パラリンピック公式ポスターの紹介記事です。山口晃さんは現代を代表する画家のお一人で、とても繊細かつ大胆な作風の方です。
とかく忘れられがちな「東日本大震災や原発事故からの復興」を主眼にして制作なさったと紹介されています。
細かい背景には被災地の多様な実情が描き込まれています。
東京オリンピック、パラリンピックの公式ホームページにオンラインショップがあり、購入してみました。

額装して飾ったところです。


本物を拝見して驚いたのですが、中央にいる女性(パラアスリートの象徴)が素晴らしいのです。着物を着て、長い袂(たもと)を翻して弓を射ています。
日本古来の流鏑馬とパラアスリートを融合してデザインしておられるのだと思います。それはそれは美しく、ただただ敬服です。
ポスターといいながら、美術品だと思います。いつか原画を拝見する展覧会が開かれますように。
皆さまにも情報をと思い、このブログで紹介することにした次第です。

ところが!!今オンラインショップを検索しましたら、
残念なことに!この山口さんのポスターはもう在庫切れになってしまったようです。多くの方々が高く評価したからに違いない!
同じ図を印刷したトートバッグやTシャツならまだ在庫ありましたよ。

TOKYO2020 OFFICIAL ONLINE SHOP
https://tokyo2020shop.jp/

ちなみにポスターを飾っているのは、ぼかし屋が通常、引き染めをしている作業場兼の部屋です。何度もこのブログに登場していますが、カッコよく見えるように、片づけして飾って写しました。今の若い方たちの言葉では、こういうのを「盛る」というそうですね。別の部屋に見えるほど、盛りました(^^♪

お知らせ | 04:54 PM | comments (x) | trackback (x)

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