ぼかし屋の染め風景

 
東京手描き友禅は多くの場合、一人の製作者による一貫制作ですから、この振袖でも地色を染める工程に進みます。前回紹介の伏せ糊で、模様部分をカバーして染料が入らないようする防染作業が済んだので、いよいよ地の色(模様の背景の色)を染めるのです。地染(じぞめ)といいます。

伏せ糊が一層よく生地に食いつくように、まずフノリを刷毛でのばして塗ります。地入れをいう作業で、洗濯糊で生地をピシッとさせる感じで、伏せ糊を始める前にしたのと同じ作業です。

フノリは海藻を煮溶かした液状の糊
手描き友禅は最初から最後まで様々な固さの糊の助けを借りて染めるのです。
ピシっとしていれば染料が均一に染み透り、塗りムラが起こる危険が減りますが、ゼロには出来ない(-_-;)

赤の部分で使用した染料試し布


染料は粉末の酸性染料をグツグツと煮溶かして作ります。
今回染める赤、ブルー、黄緑のうち、一番難しいのは赤。染めた後、蒸して洗って最後にどのように発色するか分かり難いためです。
同じ赤でも微妙違う色合いがあり、混ぜて煮ながら調整して作ります。赤染料はそれぞれ紅や朱にかかっているので、混ぜて真っ赤っかに見える色を出すわけです。


何度も色試しして前日までに準備した染料三色。
染料は生地に着くと色がよく見えますが、液体の時は黒っぽいのです。取り違えを防ぐために色バケツを使ったり、大きな色の印を付けたり。今回は3色なのでまずまず…5色が限界かな。

ぼかし染はまず生地に霧を吹いて水分を含ませます。水分量が多ければ淡色に、少なければ濃色になります。さらに染料についていない刷毛で生地をこすってぼかしのグラデーションを作ります。


一人で作業しているので細かい写真は写せないのですが、この写真には「ぼかし当り線」がまだ消えずに写っています。

右のぼかしラインの向こうからコチラまで線が3本残っています。染料や霧の水分でやがて消える線です。
予定通りの位置でぼかしを終わらせるために「新花」という下書き用の液体で線を引いてあるのです。どこまで霧を吹くか、どこまで刷毛を走らせるかの位置が分かるようにするためです。


この写真は短い生地が写っているでしょう?


試し染め部分です。生地の一部を使い模様の一部と地色を本番部分と同じように、ただし一足先に染め作業をしていくのです。色試しやぼかし方の最終確認といったところです。


伏せ糊の色の変わっている所は青い染料がついた部分。
伏せ糊防染(染まるのを防ぐ)の役割がよく分かる写真となりました。

赤も同じく、よく伏せ糊が働いてくれています。


右袖の前側は赤の塗切り。キッチリ真っ赤に。


裏から見ると伏せ糊をしたところには赤い染料が入り込まずに白く残っているのが確認できます。

ひとまず ホッ(^^;)




ぼかし屋の染め風景 | 09:51 PM | comments (x) | trackback (x)
東京手描友禅の工程のなかで、糸目糊、下絵落とし、地入れときて、いよいよ伏せ糊に突入です。
着物の模様の背景色(着物地、全体の色)を染める前に、模様の部分に糊を覆いかぶせて、染料が入らないようにする(防染)ための作業です。


糊は餅粉と糠粉を練り→蒸し→さらに練り→塩を加え、季節により(湿度により)グリセリンを加えて作ります。かつてはすべて自作でしたが、材料の入手難もあり現在は蒸して練り上げた状態の糊を材料屋さんから購入し、好みで調整して使っています。


伏せ糊をおいている最中。
乾いていないネバネバの糊が模様を覆っています。
このように模様の糸目糊にぴったり沿って糊の置くには道具が必要です。


糊筒 大小2種類 
筒は丈夫な和紙で作られています。口金を付けて希望の太さで糊を絞り出して、糸目糊のフチに沿うように、模様から糊がはみ出さないように糊で模様を伏せて行きます。
伏せたら糊が乾かないうちにトノ粉(木材のおが屑の粉)でカバーしておきます。


上部がトノ粉を振ったところ、下部はまだ糊だけ。
トノ粉で表面をカバーすると糊が丈夫になり、染める時には染料や水分を吸い取って糊を保護してくれます。

トノ粉を振っているところ。このお風呂椅子は伏せ糊専用(^^;)
この作業中は新聞を敷いたり、頻繁に掃除機をかけたりしますが、余分なトノ粉をブラシで掃ったりするので室内はトノ粉でジャリジャリ!


作業中のお盆の上
色々ありますね。糊、濡れた布巾、口金を洗う水とマチ針、霧吹き、糊をなでる小さいヘラなどなど。
糊は水分で硬さが変わり、程よい水分がないと作業がやりにくいので始終霧を吹いて、ボールの中の糊の硬さを同じに保ち、糊が付く相手の生地にも程よい水分を与え続けます。

裏から見ると水分の力で生地と糊が密着しているのが分かります。生地の糸の中まで糊が沁み通らせ、かつ他の部分に糊が沁み出ないように用心々。


作業が済むと、染める時と同じ力でまっすぐに張った状態で乾かします。生地がたるんでいると、たるんだ形で糊が固まり、染める時にまっすぐに張ると糊と生地が剥離する原因になります。


乾いてくると透明感が出て、伏せ糊の下の糸目糊の模様が見えてきます。ざっと乾いたら、この状態で一度裏返して、同じ糊で模様のフチだけを裏打ちします。


地色の染料が入り込まないように堤防を厚くするわけです。
表裏の糊が触っても大丈夫なくらいに乾くといよいよ色が登場する染めへ。
これがお煎餅ほどにパリッと乾いてしまうと、糊が割れて染料が入り込みやすくなってしまいます。
添加したグリセリンがお煎餅化を遅らせてくれます。
歯ごたえのあるゼリー菓子くらいになったら、お煎餅になる前に地色を染めないと!
一番気ぜわしい工程です。


ぼかし屋の染め風景 | 11:02 PM | comments (x) | trackback (x)

前回紹介した下絵洗いが終わると、水のためにシワシワになった絹の上に図案をなぞったゴム糊が糸目状に残っている、でもまだ不安定で、ゴム糊が「生地に食いついていない」状態です。
そこで、


まずこのように生地を張り手にかけて伸子針(しんしばり)で伸ばして、


生地の裏から「揮発地入れ」をします。
生地を裏側から脱脂綿に含ませた揮発剤で拭いて、表に付いているゴム糸目糊を裏側まで貫通させるのです。



どんな揮発剤を使うかは製作者次第で、友禅用ゴム抜き剤あり、ベンジンありですが、ぼかし屋ではロウケツ染めの材料として調合されたロー落とし剤を使っています。

その後で、フノリを水で溶いて刷毛で絹地全体に塗る「ふのり地入れ」を行います。
フノリって何?とお思いの方へ。
「ふのり地入れ」はまだあと2回も登場するので、その時に写真付きで説明いたしますね。
イメージとしては洗濯糊と同じで、生地面を平に張りを持たせるためのものです。
とにかく友禅染は生地がぴぃ~んとしていないと作業出来ない、とご記憶下さいませ。

揮発とフノリ、2種類の「地入れ」が済むと、シワシワだった生地がぴぃ~んとして、次の工程へ進む準備だできるわけです。


アップでご覧ください。
ぴぃ~んとした生地の上にしっかりと糸目糊が付いて、模様を描き出しています。


最後にもう一度、フノリを刷毛で伸ばして生地全体に糊の成分を含ませます。
すると色の染料が生地に留まりやすくなり、染め付けが良くなるのです。染料が糸目糊を越えててしまう「はみ出し」も防止できます。糸目糊は染料をせき止める堤防なのです。

これで友禅染の準備が整いました。

次は模様を糊で伏せて防染作業です。
手描き友禅染は糊防染につぐ防染の作業が続きます(^^;)
糊がフノリか、糸目糊か、伏せ糊かの違いで、フノリ地入れだけでも通常3回は行います。


ぼかし屋の染め風景 | 11:23 PM | comments (x) | trackback (x)
東京手描き友禅の制作工程には色々な作業があるのですが、さてこれは何をしている風景でしょうか?


(答えは一番最後に)

前回の紹介風景までで下絵糸目糊置きが終わりました。
普通はこの後に色を染める工程が紹介されますが、ここでは糊と染めの間の隙間作業を紹介いたします。


こちらは下絵を糸目糊でなぞり終わって、下絵が不要になったところです。
糸目の下から濃い青で下絵がのぞいています。
形を訂正したり、ぼかしを入れる予定の箇所につけた印など色々ついています。

このまま染め始めると青花の花汁で描いた下絵が流れ出て生地を汚してしまうので、染め作業に入るまえに下絵を洗い落とすのです。ぼかし屋ではお湯を使い、簡単に流れ落ちます。
お湯をくぐることで、絹生地の染め付けも良くなると感じております。


洗うと、絹の生地は縮み、幅もすぼまります。
でもご安心、この後でフノリ地入れなどの工程で形を整えながら染めでいきます。


水洗いした振袖用の長~い生地を室内干しして(外では虫やホコリの心配が)
完全に乾燥させてから、次へ進むのです。


ほら下絵がとれて図案通りの糸目糊だけが残ってスッキリ!
ゴム糸目糊の水に溶けない成分を利用した方法です。

糸目糊おきと、染料による着色という主要な工程の間の、隙間の工程、ニッチですが、省略できない大切な部分なのです。
(この辺りは同じ東京手描き友禅であっても、製作者によって違う部分です)

最初の写真は室内干ししているところでした。



ぼかし屋の染め風景 | 10:59 PM | comments (x) | trackback (x)
さて着物の形に仮縫いした白生地に下絵が描かれた状態となりました。


これを解いて、もう一度最初の反物の状態に戻して友禅染へ進みます。


例えは悪いですが、トイレットペーパー状の長~く真っすぐな形にすれば、模様伸子(もようしんし)や張り手に張っての作業が可能になるのです。
縦に長~く裁ち切った衿と衽(おくみ)の部分には、それぞれ当て布を長~く縫い足して、生地の幅を裁ち切る前を同じ幅に戻しておきます。


そこで活躍するのが「剥ぎ合せミシン」
生地と生地の切り目を剥ぎ合せる専用のミシンです。
着物需要の低迷から、もう生産されていないミシンなので「宝物」
災害時は抱いて逃げるつもりでおります。

この「剥ぎ合せミシン」は染め上がった時にもう一度活躍します。
染め上がりなら生地に色があってミシン糸が見やすいので、その時に詳しくご覧いただくつもりです。


こちらが染色作業するばかりに準備ができた白生地を写したものです。
生地の端にも当て布がついています。
地色を染める時に生地に食い込む「張り手」の針から生地を守るためです。

友禅染の特長は、糸目糊という線状の糊で下絵をなぞって防染すること。
糊が付いていた部分には染料がつかないので、最後に糊を落とすと、染まらなかった部分が糸の縫い目のような白い線で浮き上がります。


その糸目糊を引いているところ。糸目糊を置く、とも。

下絵をなぞる糸目糊には、餅粉から作る真糊と、合成ゴムを利用したゴム糊の2種類がありますが、これはゴム。どちらにするかは染め作業に順序によります。
順序は柄行きと色合いによります。
今回は地色に真っ赤なぼかし染めが使われるため、地色染めを模様色挿しより先にするためゴム糸目を使っています。ゴム糊は水洗いでは落ちない事を利用した順序です。


糸目糊置きが済んだところで、要所々を合わせてみて、模様が縫い目を越えてもつながっていることを確認します。
「ちゃんと絵羽模様になっているかな?」です。

ちょっとややこしい説明ですが、今後ご紹介していく作業風景へ進むとご納得いただけるかな、と思っております(^^;)

ぼかし屋の染め風景 | 06:00 PM | comments (x) | trackback (x)

裁ち切った白絹を仮絵羽に仕立てると着物の形になり


縫い目は実際の仕上がりの時と同じ縫い線の位置となります。

この状態で図案を写し取ります。


手描き友禅の作業台は中央に四角い穴が開いて、そこに下絵を描く時は光源を、色挿しする時は熱源を置いて利用します。
もっとガラス面の大きい下絵写し専用の台もありますが、ぼかし屋は色挿し兼用でやっています。
この作業台は昔むかし、東急ハンズで一枚板を買い希望位置をくり抜いて貰ったものです。ハンズで誂えたわけです。(*^^)v
ちなみに板を支えている台は、書類ファイル用のスチール引出し、左右に2台。
板も台も、乗り出して体重をかけて作業してもビクともしません。


仮縫い状態の着物はとても大きいので、補助台も使い、光の部分に順にずらせながら写して行きます。


面相筆と青花液で描きます。


縫い線の左右で図案がズレることなくつながり、それを解いても安心して糊の工程へ進めるわけです。

仮の仕立ての状態で下絵を描き終わると、お客様に羽織っていただき、鏡の前で染め上がりを想像しながら最後の全体調整をします。




花の位置、ぼかしのラインなどを変更できるのは、この段階が最後となります。


ぼかし屋の染め風景 | 01:38 PM | comments (x) | trackback (x)

東京手描友禅は多くの場合、お客様のご希望に沿って図案からおこす誂え染めです。
特に記念となるような振袖の場合は、そのお客様ならではのご希望が出てまいります。
今回はオリンピックに関連しての制作で、上半身はバラと公国の国旗の色(赤と白)の地色で、裾模様には国花のカンパニュラ王宮が入るというリクエストでした。
一番難しかったのは王宮の作図。


残念ながら行ったことのない国で、ネット検索しても出てくるのは観光写真ばかり。幸いテレビでグレース公妃のテレビドキュメントや、モナコ王室専属シェフの方の仕事を紹介する番組などを見る機会があり、そこに写る王宮を録画しては画像を撮影、参考にさせていただきました。



友禅模様にするのですから、さほど細かく描くわけではないのですが、「この尖がりはいったい何かしら」などと虫メガネ(何てアナログ!)も活躍。
古い部分は中世以来という由緒あるお城だそうです。

写真を拡大しただけですと、お城を模様にした時に形が間延びしてしまうので、特徴を強調して描き直しました。つまりデフォルメ。


カンパニュラは桔梗のことですが、色々な種類があるようでした。


カンパニュラが手前、遠景に王宮のあるお城部分です。
王宮裏手に特徴あるコブ型の岩山があるようだったので、さらに遠景として採用(^^♪

上身頃を彩るのはバラ。


モナコ大公ご夫妻の名前を冠したバラの写真
(こちらはネットで山のよううに検索できました)
ピンクも赤も白と強い対比が特徴で、これも友禅に向くように図案化します。

バラのように表現の仕方に幅があるモチーフは、お客様のご希望はもとより作者の好みも大いに反映されるところだと思います。
今回は「遠くから見てもバラに見える」を最優先にして作図。


上半身のバラの流れはツタでまとめることになり、先にツタの流れを決めます。


後からバラを落とし込んで、作図していきます。
上下に走る直線が生地の縫い目にあたる位置です。


全体の調子が揃うように細かい修正をしながら図案を作り上げていきます。
消しゴムのカスがたくさん写っていて失礼します(^^;)
「誂え」ならでは、です。

このようにお客様の好みに沿って服や靴といった身の回り品を誂えることを、英語ではビスポーク(bespoke)と呼ぶそうですよ。
その意味は、依頼主と製作者がトコトン話し合う、です。
ロンドンのセビルロー通りの紳士服店でスーツを誂えることが、その代表格だとか。

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この記事には続きがあります▼
ぼかし屋の染め風景 | 10:29 PM | comments (x) | trackback (x)
オリンピック関連プロジェクト、イマジンワンワールドに参加して制作したモナコ公国をテーマとした振袖の染めの様子を工程ごとに少しずつ紹介していきたいと思います。
追加でご注文いただいた時の記録を主にご紹介しますが、初回制作版の写真も利用させていただきます。

最初は何といっても生地の準備。


生地問屋さんの揃えてもらった同練りの三丈物二反
同練(どうねり)とは同時に作った糸で織った、という意味です。
生地の模様が同じでも、練りが違うと同じ染料を使っても同じには発色しないからです。


本紋と呼ばれる振袖用の地紋で、沙綾形文に菊や蘭が織り出されています。

まず巻を解き、全体の長さを確認します。


白い絹が山のように重なります。本当に美しく、いつも「これに色を付けてしまっていいのかな」と思ってしまいます。白い雪の上を歩いてはいけないような感じです。


尺差しで計って印を打ちます。
まっすぐ計って、まっすぐ裁ち切らなくてはなりません。
この時、活用するのが「畳の縁」


ヘリと畳面のわずかな段差を利用して生地をまっすぐに固定して計るとずれません。
裁ち間違いしないよう何度も何度も計り直しながら鋏でザックリいくわけです(^^;)


衽と衿の間の長い所も延々とまっすぐ切ります。

裁ち切りが済んだら、仕立て屋さんにお願いして仮絵羽仕立てしていただきます。
振袖の形にしてから、生地に下絵を描くためです。

着物が出来上がった時に、縫い目の越えてつながっている模様を絵羽(えば)模様といいます。
例えば豪華な牡丹の花が縫い目でブツッと途切れていたら残念です。
絵羽模様で広々と牡丹の模様がつながっていると立派ですよね!
絵羽模様にするための下準備の仕立てを仮絵羽仕立てと呼ぶわけです。

仕立て屋さんから仮絵羽仕立てとなって戻って来たところ。


出来上がりサイズに合わせて綺麗に着物の形になりました。
さて!ここに図案を描くわけです。
縫い目を越えて模様がつながるように。

その図案については次回に…



ぼかし屋の染め風景 | 04:43 PM | comments (x) | trackback (x)
本日は下絵描き風景を紹介します。



誂え染めの手描き友禅では、まず白い絹地を裁って、白い着物の仮縫い状態にします。仮絵羽(かりえば)仕立てと呼びます。
模様が縫い目を境に途切れたりしないように、連続させて一枚の絵のように染め上げるためです。絵羽模様といいます。

複雑な模様では実物大で染め上がりと同じ下絵を紙に描き、それを生地に写しとります。



机の手前の台に乗っている部分は着物の上半身。絹が大漁、大量(‘◇’)

友禅の作業机は中央に四角い穴を開けてあります。


染める時はそこに熱源を置き、下絵描きの時は電灯を置いてガラスで塞ぎ、ガラスの上に下絵を、さらに生地をおけば、下から明るく照らされて模様を写しとりやすいのです。
以前は小さな電灯というと白熱灯しかなくて、夏などは暑い思いをしたものですが、今はLEDなど熱くならない電灯が色々あって助かります。

仮絵羽仕立てしてあると肩口など平に伸ばせない箇所があります。描きたい所を小さく延ばし文鎮でしっかり押さえて作業します。


遠目には刺繍枠をはめてあるように見えます。〇でなく□ですが。
もちろん刺繍枠ではなく文鎮で押さえているのです。

生地は2重3重になっていますから、半端な文鎮では押さえが効きません。
しっかり重く、かつ絹地のためには当りの優しい文鎮が貴重なのです。

これまでに知る限り、文鎮の最高峰富山県高岡市の金胎漆のもの。


金属に漆をかけてあるのでズッシリ重く、表面は柔らかく生地を傷める心配がありません。
漆に螺鈿細工が施されて綺麗で、文鎮の方も傷つけないように作業中は丁寧な動作を求められます(^-^;

 文鎮については2017年11/21の当ブログで詳しく紹介しています。

ぼかし屋の染め風景 | 06:57 PM | comments (x) | trackback (x)

大きな大きなバラの帯をお試し中です。



糸目糊を通常より太く引いてみています。
太く勢いのある糸目糊を大きくな花に合わせてみるつもりです。


下絵の上に糊を置いた所と、まだ下絵だけの所と。色が違います。


ゴム糸目の場合は伸子に張らずに生地を机に置いたまま引く方も大勢いらっしゃいますが、私はもともと真糊の出なので、真糊の引き方のままゴム糸目も伸子に張って引いております
生地の向きを変えやすく、糸目に強弱をつけやすいので。


ぼかし屋の染め風景 | 10:41 PM | comments (x) | trackback (x)

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